サマンサ(ジョアン・ウッドワード)はファッションメーカー社長バーグナー(ジョージ・トビアス)の下で働く男勝りのバイヤー。一方、スティーブ(ポール・ニューマン)は敏腕な新聞記者だったが社長夫人との浮気がばれて、パリへ飛ばされる。彼は飛行機内でサマンサと知り合うが、お互いに虫が好かない。
25歳以上の未婚女性のお祭りである聖カテリーヌ祭の日がきた。サマンサはモーリス・シュバリエ本人に生き方を変えた方がいいと言われ、酔いにまかせて教会に行き、夫が見つかるように祈った。すると聖カテリーヌ直々にパリの有名エステサロンを紹介される。サマンサは男まさりの姿をガラリと変え、カツラまでつけて、見違るほどのグラマーになった。サマンサに紹介されたスティーブさえ正体を見破れず、高級娼婦と思い込んでインタービュー記事まで書き、特ダネをものにして首の危機を回避した。2人は正体がバレることによって喧嘩をするが、結局は結ばれるのだった。

 

この作品の良いところはヒロインではない。ジョアン・ウッドワードはインテリ風でキャンディス・バーゲンのような役所が似合うタイプだが、パリ・オートクチュール風のお化粧をしたからと言って似合わない。それにポール・ニューマンと結婚してもう6年も経っている33歳だ。実はポール・ニューマンと製作会社の契約で夫婦でラブコメに出演せざるを得なかったそうだ。

それより、わが愛するセルマ・リッターがめずらしく家政婦役でなく、デザイナーの役で三番目にクレジットされている。仕事熱心がゆえに愛する社長に15年間も無視された老嬢だ。そしてその愛する男がジョージ・トビアスというとぼけた俳優が演じる。どこかで見た顔と思ったら同じサマンサでも60年代から70年代初めにかけてのテレビドラマ「奥さまは魔女」で、覗き趣味のある奥方グラディスさんの夫役を演じた人だ。ドラマが始まった頃に前後して映画が撮影されたようだ。この二人の脇役は気に入った。

フランスのエンターテイナー・モーリス・シュバリエを見たのは映画「昼下りの情事」「恋の手ほどき」以来だが、相変わらず渋い。ここでは聖カテリーヌ祭のゲストとして本人の役で出演して歌を聴かせる。ジョアン・ウッドワードのささくれた気持ちをほぐす役にはぴったりだ。

夫の方はやる気はなかったと思うが、妻の方はその分自分が座長になって頑張ろうと思ったのではないか。とは言え当時33歳で薹(とう)が立った彼女一人の力ではない。コメディらしく脇役を固めていたのがこの映画を失敗させずに済んだ原因だろう。

 

監督・脚本 メルヴィル・シェイヴェルソン
衣装 イーディス・ヘッド
配役
ポール・ニューマン
ジョアン・ウッドワード
セルマ・リッター(サマンサの会社デザイナー)
エヴァ・ガボール(パリでの案内役)
ジョージ・トビアス(サマンサの社長役、「奥さまは魔女」の向かいに住んでいるクラヴィッツさん)
マーヴィン・キャプラン
ロバート・クラリイ
モーリス・シュバリエ(本人役)

主題歌:フランク・シナトラ

 

パリが恋するとき 1963 パラマウント

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