(☆)恋愛映画
岡本喜八の第二回監督作品。
石坂洋次郎原作の再度の映画化で、井上俊郎が脚色している。
白黒映画で撮影は小泉福造が担当する。

主演は雪村いづみ、山田真二
共演は水野久美、笹るみ子、野口ふみ江、上原謙、三宅邦子、桐野洋雄、ミッキー・カーチス

雑感

東宝は、ドル箱である石坂洋次郎原作小説をうまく演出するかどうかで、若手監督を選別していたようだ。東宝上層部は前作「結婚のすべて」での岡本喜八の演出を買っていて、ここでも石坂文学に再び監督として演出をつけさせた。
内容的にはプログラムピクチャーであり陳腐であるが、まあまあ楽しめる
医大のある町で、下宿屋を営む石浜家は既に三人の娘が下宿生に嫁いでいった。四番目の姉妹カナ子は自分だけは下宿生川崎と一緒にならないつもりだったが、先に友人の澄子と結婚してしまい、川崎を親友の友子と取り合う関係になる。
主演の雪村いずみ水野久美、野口ふみえ、笹るみ子の四人組が花を添える。
対する男性陣は、山田真二、桐野洋雄(なだお)、さらに歌手のミッキー・カーチスの三人組だ。
この中で歌を歌っていたミッキー・カーチスが未だに映画で主演を張っているとは昭和33年の人に教えても信じてもらえないだろう。

 

キャスト

雪村いづみ  石浜カナ子
笹るみ子  石浜タマ子(カナ子の妹)
三宅邦子  石浜美保子(カナ子の母)
野口ふみえ  友人柴田澄子
加東大介  柴田善吉(澄子の父)
沢村貞子  柴田千枝(澄子の母)
水野久美  野村友子(女子大生)
高嶋稔  野村大助(友子の弟・高校生)
上原謙  野村浩太郎(友子の父・大学教授)
山田真二  川崎光夫(医大生)
桐野洋雄  橋本実(医大生)
ミッキー・カーチス  田中誠三(医大生)
沢村いき雄  下宿担当の大学主事

スタッフ

製作  金子正且
原作  石坂洋次郎
脚色  井手俊郎
監督  岡本喜八
撮影  小泉福造
音楽  馬渡誠一

ストーリー

海と医大のある町でのお話。
石沢美保子は未亡人であり、お年頃の三女のカナ子、四女で高校生タマ子と三人で暮している。カナ子の三人の姉はすべて、彼女の家に下宿した学生と結婚した、カナ子はそうなるのを嫌がっている。
美保子が大学に下宿生を求める広告を出すと、イケメン山崎、ヒゲモジャ橋本、ロカビリー田中の三人が申込んで来て、ジャンケンで川崎が下宿を申し込む権利を得た。川崎はこの家に下宿すると美人の娘と必ず結婚するというロマンチックな言い伝えを聞いていた。しかし、カナ子は、私はそう言う結婚は嫌だと宣言した・・・。

柴田善吉は美保子の兄だが、書店を営む柴田家に養子に入り妻の千枝、一人娘澄子と三人暮らし。澄子が一人娘なので、養子を探している。大学に下宿生を求めるとヒゲもじゃ橋本がやって来た。澄子はゴリラと言って揶揄うが、橋本がヒゲを剃って見せると澄子はその気になってしまう。
野村友子は、カナ子らの親友である。父浩太郎は医大の教授であり、友子も優秀な医大学生だった。実は川崎のことを悪からず彼女は思っていた。
澄子の夏風邪が長引いたが橋本は献身的に看病したおかげで、秋に二人は結婚した。

大学祭の季節になった。ロカビリー鈴木は歌ってみんなが踊った。テニス大会では川崎が友子と組んで優勝した。二人が喜びを分かち合う様子をみて、あれほどまで下宿生との恋愛を嫌っていたカナ子が嫉妬してしまう。カナ子は焼き餅を焼いて、川崎を追い出そうとする。しかし、川崎が荷物をまとめると、慌ててカナ子は川崎に愛の告白をする。
さらに母美保子と友子の父浩太郎の縁談もまとまって、カナ子と友子は仲の良い姉妹になった。

 

若い娘たち 1958 東宝東京製作 東宝配給 – 雪村いずみ主演

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