(△☆)音楽映画見習修道女から反ナチス軍人の妻となり、義理の子供たちとトラップ合唱隊を作ったマリア・フォン・トラップの自叙伝を元に作られている。

ゲオルク・フルダレックの脚色を、ヴォルフガング・リーベンアイナーが監督した。
カラー映画で、撮影はウェルナー・クリーン、音楽はフランツ・グローテ
主演は、デボラ・カーに似たドイツ人女優ルート・ロイヴェリックと舞台俳優ハンス・ホルト

雑感

アメリカのミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」のオリジナル・ストーリーである、1949年マリア・フォン・トラップ原作の伝記「トラップ・ファミリー合唱団物語」を初めて映画化したもの。このとき、フォン・トラップ家は困窮しており原作の権利をわずか9000ドルで制作会社に売却してしまった。
だから、アメリカでの舞台や映画「サウンド・オブ・ミュージック」公開時も原作者の彼女に一銭も渡らなかった。ロバート・ワイズ監督は、その点も考えてキャラも変え、音楽を米国風に採用したのだろう。
音楽は、ニューヨークの収容所で歌われるシューベルトの「菩提樹」やコンサートのラストを飾るブラームスの「子守歌」などドイツ語の名曲がずらりと並ぶ。

キャスト

ルート・ロイヴェリック  トラップ男爵夫人マリア
ハンス・ホルト  トラップ男爵  
ヨゼフ・マインラート  バスナー医師

<トラップ家の子供たち>
ミハエル・アンデ  
クヌース・マールケ
ウルスラ・ヴォルフ
アンゲリカ・ヴェアス
モニカ・ヴォルフ
ウルスラ・エトリッヒ
モニカ・エトリッヒ

 

スタッフ

監督  ヴォルフガング・リーベンアイナー
脚本  ゲオルク・フルダレック
撮影  ウェルナー・クリーン
音楽  フランツ・グローテ
原作  マリア・フォン・トラップ「フォン・トラップ・ファミリー合唱団物語」

 

ストーリー

オーストリアザルツブルグ。第一次大戦で潜水艦Uボートの艦長だったトラップ男爵は、妻に先立たれる。後には七人の幼な子が残された。トラップは、子供たちを軍隊方式で厳しく育てたが、家庭教師は嫌がり次々にやめていく。。
修道院に相談していたが、修道女マリアが派遣されてきた。トラップが留守にした最中、マリアは子供たちに自由教育を始めた。マリアの弾くギターに合せて歌う子供たちは喜びで一杯だった。帰ってきた男爵はマリアをクビにしようとしたが、子供たちの哀願を聞き入れて彼女の方針で教育させることにした・・・。

次第にトラップ氏とマリアの距離は縮まり彼の婚約者だったイボンヌの助言もあり、クリスマスに男爵は結婚を申込む。修道院長は、二人の結婚を許し結婚式を挙げさせる。
トラップ氏に内緒で子供たちはザルツブルク音楽祭に素人合唱団として応募する。ヴァスナー神父の指導もあり、マリアと七人の子供たちによるトラップ合唱団は見事に一等賞を獲得する。

1938年、オーストリアはナチス・ドイツに併合される。反ナチ反対を明らかにしていたトラップ氏は逮捕を逃れ、イタリアを通ってアメリカに亡命を試みる。
一家はゼーミッシュというマネージャーを頼ってニューヨークにやって来る。しかし、亡命者としての上陸は拒否され、収容所に入れられた。ゼーミッシュの上司が会いに来たが、オーストリアの合唱団では売れないと言って、彼らの身元引き受けを拒まれる。そのとき、ヴァスナの指揮で合唱団が歌い出す。ドイツ語圏から亡命してきた人々は望郷の念を駆り立てられて涙した。ゼーミッシュは彼らを引き受けて、各地でコンサートを開くようになる。

 

菩提樹 Die Trapp-Familie 1956 西ドイツ製作 (新外映 1957年国内配給)- 「サウンド・オブ・ミュージック」よりも実話に近いトラップ家物語

投稿ナビゲーション