久しぶりの加賀恭一郎シリーズ。しかもゲストとして過去の出演者が続々と出るという。興味を持って観た。

主役はTBSテレビシリーズ「新参者」と同じく阿部寛。加賀恭一郎の母役に伊藤蘭、父役に山崎努。今回は加賀恭一郎の身上に関する殺人事件が起きる。

 

あらすじ

 

滋賀から上京した女性押谷が腐乱死体で発見される。警視庁捜査一課は捜査本部を立てる。脩平は近くで浮浪者焼死事件が起きていたことに気付いた。両者には何か関係があるのか。

押谷が東京まで会いに来た友人浅居博美を脩平は訪問する。彼女は明治座の芝居の演出家だった。そして彼女の部屋で加賀恭一郎と一緒に写っている写真を発見する。

全日本剣道チャンピオンだった加賀の剣道教室に一時子役たちを通わせた縁だった。被害者のカレンダーに日本橋にある橋の名前が書かれてあったの脩平から聞かされ、加賀は顔色が変わる。

別居していた母が死んだとき、部屋のカレンダーにもそれが書かれていたからである。母の恋人が事件に関係しているに違いないと確信した。所轄署の刑事である加賀も捜査本部に呼ばれて捜査に加わる。
なぜ浅居博美は数年前、加賀の剣道教室に現れたのか?彼も浅居博美も状況が逆なら同じ立場だったのではないか?彼は焼死体と浅居博美のDNA鑑定をしようと考える。協力してくれたのは、看護士の登紀子だった。
ついに焼死事件の被害者と浅居博美の父娘関係が証明された。そのことから見えてきたのは、父娘の悲しい逃亡劇だった。

 

雑感

 

最近歌手に復帰して話題の伊藤蘭ちゃんが加賀恭一郎の母親役で出ているからワクワクして見たが、TBSが制作幹事だからか、完全にテレビドラマのノリだった。もちろん蘭ちゃん以外にも大好きな田中麗奈ちゃんが美味しいところで犯人の証拠を握ってくれたし、テレビ版で共演したカメオ出演者も多数いて、それはよかったと思う。
ただ、この程度の映画で回想シーンは長すぎる。野村芳太郎が監督し丹波哲郎が主演してハンセン氏病問題を扱った社会派映画「砂の器」と比べるのは、原作者松本清張に対して失礼だと思う。あのシーンは丹波哲郎のモノローグと加藤嘉の言葉を使わない演技力に圧倒されたのであって、こっちの映画は全然別格の作品として見ていただきたい。

 

桜田ひよりが麻雀漫画の映画化「咲-阿智賀編」に続いて出演しているが、思ったよりしっかりした演技をしていた。

 

スタッフ・キャスト

 

監督 – 福澤克雄
原作 – 東野圭吾『祈りの幕が下りる時』(講談社)
脚本 – 李正美
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – JUJU「東京」

配役
加賀恭一郎 – 阿部寛
浅居博美 – 松嶋菜々子
浅居博美(14歳) – 桜田ひより
脩平 – 溝端淳平
登紀子 – 田中麗奈
大林主任 – 春風亭昇太
石垣刑事部長 – 上杉祥三
博美の母 – キムラ緑子
宮本康代 – 烏丸せつこ
押谷 – 中島ひろ子
苗村 – 及川光博
田島百合子 – 伊藤蘭
浅居忠雄 – 小日向文世
加賀の父 – 山﨑努

祈りの幕が下りる時 2018 TBS/東宝 加賀恭一郎シリーズ

投稿ナビゲーション