市川崑の撮った「熱泥池」という映画を短縮編集して再公開した映画をDVD化したもの。

北海道警察の目に届かない山の中の未開拓地へ、100万円横領犯(藤田進)と一時的に愛人契約を結んだ利根はる惠、さらに100万円を付け狙う医者崩れ東野英治郎がやってくる。藤田はどこかに金を隠して人足相手にバーを経営している。利根はる惠は契約期間が終了したが一人ではとても山を降りることは出来ない。誰かを付けて町へ返してくれと言うが、藤田も東野も断る。悲嘆する利根はる惠だが、彼女のたった一つの拠り所は行きの船で出会った堀雄二だった。ところがその堀雄二が突然ケガをして山中に現れる。その頃から藤田進の態度が変化しはじめる。

 

「熱泥池」という旧題名は何か凄いものだが、北海道の活火山には頂上付近に池があって熱湯が出ているのだろう。
この映画は短縮再編集版だから、途中が飛ばされていてよくわからない点がある。タイトルの「三悪人」だが藤田進、東野英治郎の二人が悪人役なのはわかるが三番目は誰だろう。最後に登場したアイヌ役の伊藤雄之助だろうか?彼は藤田進に復讐をしたかっただけではないのか。

この映画の見せ場は東野英治郎の悪役ぶりだ。小柄なのに、とくに表情が凄い。真犯人の藤田進が気の毒になるほどだ。

いつもはヴァンプ(毒婦)を演じている利根はる惠も今回はか弱い娼婦の役回り。最後は優男の堀雄二に救われる。

ぶつ切りにされたプログラムピクチャーだったが、市川崑監督らしさがあちこちに現れた作品だった。イタリアン・ネオレアリスモが盛んだった時代も、黒澤明や清水宏のような名匠と違って、市川崑監督が受けた影響はやや限定的だったようだ。

監督 市川崑
脚本 市川崑、板谷良一
原作 木村荘十
音楽 伊福部昭
出演
藤田進
利根はる恵
東野英治郎
堀雄二
進藤英太郎
伊藤雄之助

現金と美女と三悪人 1950 新東宝

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