ドイツ映画「制服の処女」(1931)と「お夏清十郎」(姫路の事件を基にした近松浄瑠璃)にインスパイアされたような作品。この映画に対する最近の若い連中の批評を見ていると何とも的外れで情けなくなる。
木下恵介監督の時系列的には「日本の悲劇」と「二十四の瞳」に挟まれた作品。

 

京都の正倫女子大は反共産主義、反自由主義、反自由恋愛主義を徹底していて、自宅から通えない限り全寮制の学校である。国文学教授で寮母の五条真弓(高峰三枝子)は中でも厳格で、芳江(高峰秀子)や富子(岸恵子)を目の敵にしてネチネチと責め立てる。明子(久我美子)は表向き共産主義運動に走っているが親が学園の有力者のため、五条は見て見ぬ振りである。芳江の心の慰めは東京の大学で苦学している参吉(田村高廣)で、冬休みにやっと会うことが出来る。
富子の休み中の行動を五条教授が糾弾すると、明子ら学生運動派は一斉に反発した。学校側は運動に参加した学生に処罰を加えるが、明子と芳江に対してだけ軽い処置で済ませて、学生運動を切り崩しにかかる。学生から反感を買った芳江は神経衰弱をこじらせついに自殺する。

高峰三枝子は子供と別れた過去を持ち、その恨み辛みを学生イジメにぶつけるサディスト。その犠牲になったのが神経を病んだ高峰秀子。お嬢様だったために運動の中心にいながら学生たちの信頼を得られなかったのが久我美子。
学校の策略で学生運動のリーダーから下ろされた久我は、高峰三枝子の過去の秘密を明かして個人的に糾弾する。これでおそらく高峰三枝子や校長は責任を取らされて首になるだろう。
両高峰と大映からの客演だった久我に挟まれて損な役回りだったのは岸恵子である。スタイルの良さはよく伝わったが、学生としては無害で能天気ぶりが際立っていた。

正倫女子大は数学に関する入試がなかったようだ。高峰秀子が数学に付いていけず「高校卒業後三年間銀行に勤めていたからすっかり忘れてしまった」と嘆いていた。もしかしたら当時の女子大は寄附金主義で他の科目も無試験だったのか?

主人公は参吉との自由結婚を望んだばかりに、モラトリアムで大学進学したが彼とは自由に会えず、勉学にも付いていけず、神経衰弱をこじらせ衝動的に自殺する。
でも彼女は本当に大学で勉強したかったのかな?彼女は最初から自殺オーラを出していた。
神経衰弱は彼女の固有の病だったと思うが、生け贄が必要な学生たちはここぞとばかりに立ち上がり、15年後の学生運動さながらに怒り狂い教師陣を突き上げる。

高峰三枝子は子供と別れた過去を持ち、その恨み辛みを学生イジメにぶつけるサディスト。その犠牲になったのが神経を病んだ高峰秀子。お嬢様だったために運動の中心にいながら学生たちの信頼を得られなかったのが久我美子。
学校の策略で学生運動のリーダーから下ろされた久我は、高峰三枝子の過去の秘密を明かして個人的に糾弾する。これでおそらく高峰三枝子や校長は責任を取らされて首になるだろう。
両高峰と大映からの客演だった久我に挟まれて損な役回りだったのは岸恵子である。スタイルの良さはよく伝わったが、学生としては無害で能天気ぶりが際立っていた。

もっともカタルシスを感じたのは、一場面しか登場しない下宿のご主人が参吉の代わりに芳江の父親に向かって啖呵を切ったところだ。

監督・脚本 木下恵介
原作 阿部知二『人工庭園』
音楽 木下忠司
撮影 楠田浩之
配役
高峰三枝子
高峰秀子
岸恵子
久我美子(大映)
田村高廣
金子信雄

正倫女子大は数学に関する入試がなかったようだ。高峰秀子が数学に付いていけず「高校卒業後三年間銀行に勤めていたからすっかり忘れてしまった」と嘆いていた。もしかしたら当時の女子大は寄附金主義で他の科目も無試験だったのか?

女の園 (木下恵介) 1954 松竹大船

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