今年の競馬はコロナ禍で無観客競馬を強いられたが、幸いほぼ日程が消化されネット投票も普及していたので、唯一の娯楽として春は社会に貢献した。

今年は3歳牡牝共に三冠馬が現れ、古馬では牝馬の活躍が目立った。

三歳牡馬クラシック

昨年ホープフルSを勝っている、ディープインパクトの忘れ形見コントレイルが無敗三冠。ただし秋は初戦神戸新聞杯がピークで、それ以降菊花賞は僅差で優勝、JCは力負けの2着と尻すぼみの感がある。有馬記念を休んで来年は一層注目されるが、弱い世代だったと言われないように頑張って欲しい。

三歳牝馬クラシック

父エピファネイヤでキングカメハメハの肌となるデアリングタクトが無敗三冠。しかしJCでは差のある三着に沈む。相手が弱すぎたような気がしないでもない。

短距離路線

高松宮記念
昨年の桜花賞馬グランアレグリアが5歳牝馬モズスーパーフレアにまさかの逃げ切りを許す。グランアレグリアも太めだったかも知れない。

NHKマイルカップ(3歳限定)
昨年の阪神JF勝ち馬レシステンシアが本命だったが、逃げ切れず2番手に付けた穴馬ラウダシオン(デムーロ騎乗)に差され優勝をさらわれる。

ビクトリアマイル(牝馬限定)
大本命アーモンドアイが優勝し、G1七勝目でタイ記録。4馬身差を今年好調のサウンドキアラに付け別次元の強さだった。

安田記念
さらに体重を増やした4歳牝馬グランアレグリアが5歳牝馬アーモンドアイ、昨年のマイル王インディチャンプを倒して古馬G1初優勝。二年続けて苦杯を喫したアーモンドアイはマイラーではないようだ。春の古馬戦は全て牝馬が勝った。

 

スプリンターズS
4歳牝馬グランアレグリアが後方一気の足を使い優勝、ダノンスマッシュが二着、モズスーパーフレアは揉まれて10着に惨敗。

マイルチャンピオンシップ
4歳牝馬グランアレグリアが好位競馬で危なげなくG1連勝。二着は昨年覇者インディチャンプ。

香港スプリント
ダノンスマッシュとタワーオブロンドンが出走し、5歳ダノンスマッシュが中団から差して優勝。

中長距離路線

大阪杯 
5歳牝馬ラッキーライラックが差して優勝。先に動いたクロノジェネシスは二着。逃げたダノンキングリーは三着。

天皇賞・春 
5歳ディープインパクト産駒フィエールマンの2連覇。スティッフェリオが好位から抜け出してあわやの二着ハナの差。三着はミッキースワロー。

宝塚記念 
道悪競馬だったが、4歳牝馬クロノジェネシス(父パゴ)が優勝。二着は珍しく追い込んだキセキで6馬身差。3着はモズベッロで5馬身差が付いた。

天皇賞・秋 
休み明けのアーモンドアイが横綱相撲で快勝で日本馬としてG1史上最高の八勝目。フィエールマンとクロノジェネシスのノーザン二騎が追い詰めるが半馬身届かず。

エリザベス女王杯
5歳牝馬のラッキーライラックが後方から一気の足で優勝。5歳サラキアも上がってくるが競り負けて二着。三着は昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー。

ジャパンカップ 
アーモンドアイが好位抜け出しで完勝でG1優勝記録を9つに伸ばす。二着には三歳牡馬無敗三冠馬コントレイルで三着は3歳牝馬無敗三冠馬デアリングタクト。三冠馬三頭の決着だった。この一戦でアーモンドアイは引退する。

香港カップ
5歳牝馬ノームコアが中団後ろから外に出して差し切り優勝。鞍上はムーア。

有馬記念

良だが力の掛かる馬場になって、4歳牝馬クロノジェネシスが後方から三角で好位に上がり直線で抜け出し、春秋グランプリ制覇。牝馬のグランプリ春秋連覇は昨年のリスグラシューに続いて二年連続である。宝塚記念同様にキセキは出遅れてしまった。フィエールマンは先行したが、力尽きて三着に敗れた。二着は5歳牝馬サラキアがエリザベス女王杯に続いて追い込んだ。
今年の中長距離の古馬戦は天皇賞・春の3200mを除いて全て牝馬が勝った。短距離も含めて近年牝馬は強くなったが、今年の一方的結果には無観客少観客競馬も多少関係していよう。

 

2歳馬戦線

阪神JF

白毛のソダシが白毛馬としてG1初優勝。世界でも初めてらしい。しかしズブイ馬で桜花賞は勝てるかどうか不安。ダート馬としての方が可能性があるかも知れない。

朝日杯FS

内を突いたグレナディアガーズが優勝。阪神マイル戦の2歳レコードを持つレッドベルオーブは外を回され三着に敗れる。二着は上がり一位のステラヴェローチェ。

ホープフルS

今年は有馬記念の前日の土曜日に行われた。ダノンキッドが一番人気に応えたが、二番人気のランドオブリバティが逃げて逸走してしまい、競走中止である。全く勝負にならなかった。2着は3番人気オーソクレース。概して二歳戦はパッとしなかった。

ダート路線

帝王賞 
4歳牡馬のクリソベリルが5歳のオメガパフュームとチュウワウィザードを抑えて優勝。世代交代を確実にした。

東京大賞典

同レース3連覇を目指すオメガパフュームが参戦して断然一番人気になったが、クリソベリル、チュウワウィザードは12月のチャンピオンズカップの敗戦が尾を引き休養入りした。結果としてオメガパフュームが船橋の4歳牡馬カジノフォンテンに辛勝し3連覇を達成した。鞍上はデムーロ。三番人気の騸馬8歳ウェスタールンドが三着。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年日本競馬総括 無観客、少観客競馬と記録ずくめの一年

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