原案はSF作家海野十三のの「電送美人」であるが、関沢新一が脚色した。監督第二作目となる福田純監督が、製作の田中友幸と同じ関大グループの鶴田浩二を主演に迎えて撮った空想科学スリラー映画
松竹ではアイドル俳優でありながら東宝で外様扱いされてヒットのなかった鶴田浩二はこの年、東映に移り任侠映画で再び人気となる。
 

 

あらすじ

 
ブローカーの塚本が遊園地で殺されるが、犯人を見たものはいなかった。科学班の新聞記者桐岡は、針金状の物体を発見する。恩師三浦博士はその物質はクライオトロンと呼ばれていて、将来トランジスターにとって代る伝導体だが、絶対温度四二度という低温を保存しなければならないと教える。
第二の殺人が起きる。被害者はキャバレー経営者で、陸軍の軍票を握っていた。桐岡は犯人を倉庫に追いつめたが、発火して消える。そこから冷却機が発見された。桐岡は陸軍で二人の被害者と同じ隊にいたという大西と滝を訪ねる。終戦時、仁木博士の逃亡を命ぜられた大西、滝、隆、塚本の四人は盗んだ金塊を隠していた。そして非協力的な博士と須藤、兵長を生き埋めにした。しかし博士と須藤は脱出したのだ。桐岡は冷却機の注文主を探すとニッポー精機が軽井沢の牧場に納品したことが分かる。たまたま軽井沢に向う同社社員明子の同僚になりすまし牧場に向った。
第三の殺人予告状を受けた滝が十一時半に殺される。牧場主の中本には遠く花rた軽井沢で12時に明子たちの相手をしたというアリバイがあった。警察は小谷牧場を訪ねると、中本の姿はなく、仁木博士が健在だった。
第四の殺人予告を受けた大西は、故郷の島へ隠れた。警察が船で到着したときは彼は殺されていた。須藤が犯行現場から逃亡し、追うと送信側の電送装置に入った。軽井沢の仁木博士は殴られていたが、最後の力を振り絞って、受信側の電送装置を破壊する。須藤は装置の中で苦しみ、消滅する。

 

 

 

雑感

 
The Secret of The Telegian は輸出時の題名。
この映画の犯人役の実写を見た中丸忠雄はお岩さんのようなメイクにがっかりして、次回作「ガス人間第一号」の主演を断り、しばらく干されたらしい。
他の変身人間シリーズとの大きな違いは、撮影が山田一雄である。色合いがやや地味で、落ち着いた雰囲気になっている。

 
毎回お楽しみの白川由美のシミーズ姿は今回もあった。
 
クライオトロンとは超伝導体のことだな。自分が勉強する25年も前に、映画のネタにされるとは、流石日本一のSF作家海野十三だ。
 

スタッフ・キャスト

 
監督 福田純
製作 田中友幸
原案 丘丘一郎(海野十三)「電送美人」(クレジット無し)
脚本 関沢新一
撮影 山田一夫
光学撮影 荒木秀三郎
特技監督 円谷英二
音楽 池野成

 
配役
桐岡勝 鶴田浩二
小林警部 平田昭彦
中条明子 白川由美
中本伍郎(須藤兵長) 中丸忠雄
大西社長  河津清三郎
隆昌元     田島義文
滝     堺左千夫
岡崎捜査主任 土屋嘉男
三浦博士   村上冬樹
仁木博士     佐々木孝丸
呼込みの親父 沢村いき雄
 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

雑感

 

 

 

 

スタッフ・キャスト

 

 

 

 

電送人間 The Secret of The Telegian 1960.4 東宝作品 変身人間シリーズ第2弾

投稿ナビゲーション