今さらながらの大名作「めぐり逢い」、あらすじは説明するまでもない。

 

マッケイ(アイリーン・ダン)とマルネ(シャルル・ボワイエ)は、お互いに付き合っている人がいた。
大西洋航路で出会い愛し合うようになった二人は船から降りると一旦別れて、それぞれに婚約者と別れ、身辺を整理しはじめる。
ところが・・・

 

身辺整理のあたりがケイリー・グラント、デボラ・カーのバージョンと比較して、アイリーン・ダン、シャルル・ボワイエのバージョンでは少し薄っぺらかった。

 

アイリーン版もデボラ版も、大切なところはほとんど同じ脚本を使ってる。
最後に絵を買った人が誰か察して、ボワイエが全てを悟るところがあるのだが何回見ても泣いてしまった。
 


アイリーン・ダン
は好きな女優の一人である。
30年代にあまり好きなアメリカ女優はいないのだが、彼女は違う。
もともとミュージカル女優であり、顔も端正で、戦後になって本当に可愛いオバサンになった。
(戦後の代表作「ママの思い出」)
この作品は実にアイリーン・ダン41歳の作品である。
シカゴの歌姫も、ミュージカル路線からラブロマンス路線に転身して、レオ・マッケリーの名作に出会った。
この映画でのメイクは強めで、後のシビル・シェパードを思い出させる。
祖母のチャペルで敬虔な雰囲気に打たれる、彼女の美しいシルエットは、デボラ・カーに勝るとも劣らない。
“Show Boat” や” Anna and the King of Siam” (王様と私)など次々と彼女の主演作がカラーになってリメイクされた。

 


シャルル・ボワイエ
が画家になっても絵になったが、ケイリー・グラントの画家はイメージに合わなかった。
またケイリー・グラントがラテン系の親戚を持っているなんて、どうかなあ?と思う。
そもそもこの脚本がフランス人シャルル・ボワイエのためのものだったのだろう。

 

監督レオ・マッケリー
原案レオ・マッケリー
  ミルドレッド・クラム
脚本デルマー・デイビス、ドナルド・オグデン・スチュアート
音楽ロイ・ウェップ

 

主演アイリーン・ダン(テリー・マッケイ)
  シャルル・ボワイエ(ミッシェル・マルネ)
  マリア・オースペンスカヤ(マルネの祖母)

 

この作品の原題は”Love Affair”だが、デボラ版(監督はやはりレオ・マッケリー)のタイトルは”An Affair to Remember”である。
デボラ・カーは英国女優で最も美しい人だ。
子供の頃、サンテレビでデボラ版 の「めぐりあい」が何度も何度も再放送していたのを思い出す。

邂逅(めぐりあい) 1939 RKO Radio Pictures

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  1. めぐり逢い

    (1957/レオ・マッケリー監督/ケイリー・グラント、デボラ・カー/106分)
     子供の頃にTVの洋画番組にはまってから、最初に好きになった女優が“デボラ・カー”さん。その頃は彼女の方が年上なのでさん付けですな。特に「黒水仙(1946)」の尼さんと、この「めぐり逢い」の印象が強い。
     今回のDVD鑑賞も、初恋の人に再会したような、しかし、こっちは年取ったのに向こうは当時のままという不思議な気分を味わい乍のものとなりました…

  2. 北北西に進路を取れ ケーリー・グラント

    老いたエヴァ・マリー・セイント。しかし魅惑の声は健在。当時のエピソードに興味津々。DVD版「北北西に進路を取れ」の話。
    美しいテーマ曲の流れるたびに、うっとりとしてしまうのは私だけではないはず。この映画になくてはならないソフトな場面を構成している。
    ケーリー・グラントのグレイスーツのスタイル…

  3. 「邂逅(めぐりあい)」〜摩天楼とピンクシャンパン

    1939年アメリカ監督/レオ・マッケリー出演/シャルル・ボワイエ アイリーン・ダン マリア・オースペンスカヤ   リー・ボウマン アストリッド・オールウィン モーリス・モスコヴィッチヨーロッパからアメリカに向かう豪華客船で恋に落ちたプレイボーイのミッシェル……

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