梶けいこの朗読。
さすが題材が純文学だと聞かせる。
1977年に宇都宮雅代がドラマで主演していた。
そのときのイメージと重なる。
昔のような情死は、今ではそれほど流行らない。
周りの反対を押し切って、一緒になってしまうことが多い。
後になってから、泥沼に嵌まるのだ。
戦後没落した上流階級の斜陽感覚を、私は実感できる。
戦後勃興した成り上がり者を祖父に持ち、私は三代目で身上を潰したからである。
だから滅びの美学を意識している。
薪能に幽玄を感じ、その背後にあの世を見る。
立原正秋は、モーツァルトのピアノ協奏曲20番ニ短調に想を得たそうだ。
この曲では、ハスキル、マルケビッチの名盤を持っていた。
しかし昌子の心の中でこんな派手な音楽が鳴っていたんだろうか。
第3楽章が心中のシーンなのだろうか。
ピンと来ない。
(懐音堂から再掲示)
原作:

薪能 立原正秋 横浜録音図書

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