テレビアニメ「たまこマーケット」が好評だった「たまこシリーズ」の続編映画。
餅屋の娘白たまこと同級生もち蔵は幼馴染だが、もち蔵はたまこに想いを伝えられない。もち蔵は家業を継がず東京に進学することを決意して、たまこに想いを伝える。それに対して、たまこは返事を保留してしまう・・・。
 
監督は山田尚子 主演の声は 洲崎綾田丸篤志
 

 

あらすじ

 
たまこはバトン部員の三年生。同じ部員の牧野かんなが部長のみどりを差し置いて、思い出作りに町の大会に出たいと提案して、みどりも認める。しかしたまこは最近バトンキャッチの調子が悪い。一方、もち蔵は東京の大学で映像を学びたいと思っているが、たまこにはまだ言えなかった。
もち蔵はみどりに東京行きの事を話し、今日たまこに告白すると宣言してしまう。たまことは、部活後に会って東京行きを伝え、好きだと告白した。それ以来、たまこは何事にも集中できなくなった。
たまこのおじいちゃんが倒れて救急車で運ばれ、たまこにもち蔵が付き添って病院に行った。おじいちゃんは無事だったが、もち蔵がモヤモヤするのであれば、告白は無かった事にしていいと言った。それでもモヤモヤは晴れない。ある日たまこの父が昔亡くなった母への想いを歌ったカセットテープのB面に母の声とお返しの歌が録音されていた。たまこは元気をもらったような気がして、バトン大会でも上手くキャッチできた。
 
たまこはもち蔵の母から糸電話を借りた。誰もいない教室でもち蔵を待っていると、みどりがやって来て「今日、もち蔵が東京に行ってしまう」と教えた。たまこは京都駅新幹線乗り場に急いだ。そしてもち蔵を見つけ、糸電話を渡す。そして糸電話に向かって「もち蔵、大好き」と想いを伝えた。
 

雑感

 
山田尚子は天才である。演出手法が完璧だ。やや教科書通りの感がするが、型破りな演出が多い中、実に基本に忠実だ。青春の1ページを切り取って、繊細に描いた。
 
これから、二人はどうなるのか。たまこが追いかけてきたため、新幹線に乗らずにたまこの返事を聞いた。だからもち蔵は東京行きを諦めて、京都の芸術系大学に進んで二人は結ばれるのか。
そんなわけはない。「大好き」というのは「ありがとう」という意味だ。たまこがいくら愛する覚悟を固めても、もち蔵が東京の大学に進学し東京で就職したら、遠距離恋愛である。たまこが東京に出て行くことはないだろうから、続けるのは難しいだろう。みどりも秘かに東京の大学を狙っているかも知れない。

 

 

スタッフ・キャスト

 
監督 山田尚子
脚本 吉田玲子
製作 八田陽子 古川陽子 中山佳久
キャラクターデザイン 堀口悠紀子
総作画監督 堀口悠紀子
 
声の出演
北白川たまこ:洲崎綾
大路もち蔵:田丸篤志
常盤みどり:金子有希
牧野かんな:長妻樹里
朝霧史織:山下百合恵
北白川あんこ:日高里菜
北白川豆大:藤原啓治
北白川ひなこ:日笠陽子
北白川福:西村知道
大路吾平:立木文彦
大路道子:雪野五月

 

 

映画「たまこラブストーリー」 2014 京アニ制作 松竹配給

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