オリジナル・エディションはすでに失われていて、現存する短縮版を見た。
したがって、編集のつながりが悪かった。
今月なくなった山田五十鈴は当時、19歳で映画女優として売り出し中。
この映画でも、新派出身の梅村蓉子相手にして十分に渡り合っていた。

 

姉梅吉は男に利用されいつも貧乏くじを引いてしまう年増芸者。
一方、妹おもちゃは、姉を反面教師として、男を手玉にとってのし上がろうとする若手芸妓。
姉は昔の旦那が破産したのを不憫に思い同居している。妹はそんな姉が歯がゆくてならない。
呉服屋の番頭を利用しておいて、自分は主人の妾におさまる。
しかしあることから、おもちゃの運命はがらりと変わっていく。

 

 

妹に天罰が下るのは結構だが、姉には幸せになって欲しかった。
しかし溝口作品はクールでリアリズムである。
1956年に木暮実千代主演でリメイクされているし、新藤兼人原作、深作欣二監督によるオマージュ作品「おもちゃ」(1999)が作られている。
監督 溝口健二
脚本 依田義賢
撮影 三木稔
出演者:
山田五十鈴
梅村蓉子
志賀廼家弁慶
進藤英太郎

祇園の姉妹(きょうだい、溝口健二監督) 1936 松竹

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