最近日本の近海の島が一つ沈没したが、映画「日本沈没」の前触れも島の消失だった。

これは小松左京が書いたパニックSF小説を森谷司郎監督が映画化した超大作である。

主演に抜擢されたのは「仮面ライダー」藤岡弘と演技力に定評がある歌手いしだあゆみ。助演は小林桂樹、丹波哲郎

あらすじ

民間で深海潜水艇の操艇者を勤める小野寺(藤岡弘)は、地球物理学の権威田所博士(小林桂樹)、幸長助教授(滝田裕介)らの依頼で小笠原諸島の島が沈んだ理由を突き止めるために、日本海溝にもぐった。最新鋭潜水艇で8000mもの深海にもぐると、そこには誰も見たことがない異常な風景が横たわっていた。
本社に戻った小野寺は上司に見合いを勧められ、伊豆のお嬢様玲子(いしだあゆみ)に会いに出かける。その最中、伊豆天城山と三原山が噴火を始めてしまった。
田所博士は小野寺と幸長助教授を招集して、日本海溝の調査を急いだ。政府では山本総理(丹波哲郎)を中心に学者たちとの秘密懇談会が開かれた。出席した学者の中でただ一人田所博士は日本海溝の異常を報告したが、他の学者は一笑に付した。その後、田所博士は政財界のフィクサー渡老人(島田正吾)に直訴している。そして政府が重い腰を上げて動き始める。
やがて田所博士は幸長、小野田のチームに政府の邦枝、中田を加えて深海を調査するための「D1計画」を開始する。このチームの存在は、総理と官房長官しか知らない。
全員は外国製高性能深海潜水艇に乗り込み、日本海溝の調査を徹底的に行った。その結果日本列島は地崩れを起こして海底に沈むと結論付けられた。
ついに第二関東大震災が発生した。首都圏はパニックに陥った。その頃、D計画は第2段階-国民の海外移住計画-に移行していた。暇になった小野寺は玲子と再会していた。調査が長引いてしばらく会っていなかった二人は激しく愛し合った。
D計画本部では日本列島が10ヵ月以内に沈没すると判明する。翌日総理はマスコミ関係者を集め、事態が発表された。早速小野寺は玲子と海外移住を決めた。
彼らが出発する日、富士山が噴火を始め、玲子は混乱に巻き込まれて身動きが出来なくなった。小野寺は慌てて玲子を探しに神奈川へ行く。
各国に外務省の特使が飛び、難民受け入れ交渉が進められた。続々と国民は日本から避難していった。
やがて、日本列島は海中に沈没した。玲子は小野寺と会えないまま、多くの難民とともに異国の輸送列車に家畜のように積み込まれていった。

 

雑感

上映時間2時間23分だが、それでもエピソードの単なる羅列になってしまい、主人公二人の関係性も描き切れていない。全くもの足りなかった。翌年2クールに渡って放送されたドラマの方が良かった。

特撮部分はゴジラ映画で見たような手法で描かれていた。今ならVFXなんだがどちらにしても嘘っぽい。

日本全部が沈没することはまだ考えられないが、一部が津波などにより沈むことは大いにあり得る。そんな場合、県をまたぐような大規模な避難をしなければならない。それについて法制化はされているのか?

 

スタッフ

監督 森谷司郎
製作 田中友幸 、 田中収
原作 小松左京
脚本 橋本忍
撮影 村井博 、 木村大作
特技撮影 富岡素敬
特技監督 中野昭慶
音楽 佐藤勝

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配役

小野寺  藤岡弘
玲子   いしだあゆみ
田所博士 小林桂樹
幸長助教授  滝田裕介
中田   二谷英明
邦枝   中丸忠雄
片岡   村井国夫
山本総理 丹波哲郎

特別出演:竹内均、小松左京

 

 

日本沈没 1973 東宝 – 大地震パニック映画

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