怪奇大作戦」は円谷プロ制作のSF怪奇ドラマ。「ウルトラセブン」の後番組で、日曜19時から19時30分までの放送だった。
その第6話はサブタイが「吸血地獄」、19時台にこれはまずいだろうタケダアワー
どんな話だと思われるだろうか。たしかに吸血鬼ものなんだけど、和洋折衷の作品だ。

金持ちのドラ息子でフーテンの周作と金髪娘の朝倉ニーナは恋人同士。ところが自動車の運転中、スピードの出し過ぎで対向車と接触して大破。ニーナは死んでしまう。遺体安置所で周作がニーナの手を握りしめて涙ぐんでいると、ニーナの養親である朝倉氏がやって来て周作を怒鳴りつける。朝倉氏は昔ポーランド大使館勤めだったときに、雪中で仮死状態で門前に捨てられていた赤ん坊ニーナを自分たち夫婦の養子として手塩にかけて育てて来たのだ。
ところがその夜から謎の連続失血死事件が度々発生し、SRIに持ち込まれる。

おそらくニーナの遺体が蘇って最初の被害者を襲って血を吸った後、彼女が復活したと医者に認められ朝倉家に戻ったのだ。そして48時間経って再び夜に人を襲った。そのうちにひそかに周作と合流して養父を殺して血を吸い、別府へ逃亡。SRIが追うと別府でも二件の殺人を犯していた。金髪を目印に野村が探しホテルを突き止めるが、張り込み中に周作に背後に回られて頭を殴られて失神して、あわやニーナの毒牙にかかるところを牧に救われる。野村はニーナの姿を正面から見てしまった・・・

そして最後は哀しいロマンティックなエンディングを迎える。

ではなぜルーマニアでなくポーランドにしたのか?
ルーマニアとしてしまうと、ニーナがドラキュラ一族の末裔となってしまう。だからポーランドにしてその当たりをぼかしたと思う。

しかし主役の変身した姿がどう見ても某国民的怪談を意識したメイクアップだ。しかも変身後の姿は役者が日本人に入れ替わり、どう見ても和風幽霊になっている。おそらくローラ・マンが焼けただれたメイクを拒否したため、祈祷師女優の飯田テル子をメイク・シーンだけ代役に立てたのではないか。

因みに別府でロケを行ったため、血の池地獄など地元の名所に合わせてサブタイは「吸血地獄」だったのだ。

監修 円谷英二(今でいう製作総指揮にあたる)
監督 円谷一
脚本 金城哲夫
特技 的場徹

出演
岸田森 (牧)
松山省二(野村)
原保美(的矢)
勝呂誉(三沢)
小林昭二(町田捜査一課長)
当時アイドルの小橋玲子はクレジットされていたが出演してたかなあ。カットされたんじゃないの。
ゲスト
中山克己(周作)
ローラ・マン(ニーナ)
宮川洋一(大分県警刑事)

カットされて可哀想だから小橋玲子の笑顔をどうぞ。

怪奇大作戦 第6話 「吸血地獄」 1968.10.20 TBS

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