二年前に出て以来増販を重ねるロングセラー。著者は東大文卒で都立大院出身、神戸女学院大教授。
構造主義前史として、マルクス、フロイト、ニーチェの三人を取りあげる。
とくにフロイトの抑圧説が重要。たとえば子どもは親に対してばれるわけが無いと思い、平気で嘘をつく。親は簡単に見破り、子をぶつ。すると子どもはまたばれまいと思い、嘘をつく。そしてまた叱られる。それを何度も繰り返す。実は親は子どもが嘘つきだと知っている(嘘をつくときの癖など)。親がそれを知っていることを子どもは知らない。いやわかるはずなのに、知ろうとはしない。
それが抑圧である。人間は自分のことでさえ見えていないという証左だ。だから実存主義には欠陥があるというのだ。

 

構造主義の始祖として、ソシュールが上げられている。
記号論で構造主義に関わる大発明は、名前が付けられる前から物が存在するのでなく、名前が付けられて初めてその物が実在するのだということ。しかしこのことは既に言語学者や経済学者によって発見されていて、ソシュールはまとめただけだ。

 

いよいよ構造主義四銃士の登場。制度・慣習の歴史を研究したフーコー。文芸批評からテクスト批評を創始したバルト。文化人類学のレヴィ・ストロース。精神分析のラカンの四人である。
(よくわからないから、中略)
と言うわけで本文は終わる(笑)

 

構造主義とは一言で言って、構造(制度・習慣)が本質に優先していることだ。ただこの考え方を進めると、思想的に右にカーブを切っちゃいそうだ。

 

(ライブドアから再掲示)

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