昭和21年、アメリカ軍が太平洋戦争報告書を米政府に提出した。
内容は次の通り。
1.日本軍はドイツが勝つと早とちりして、連合軍の生産力、志気を過小評価した。
2.制空権を早い時期に失った
3.陸海軍の間の円滑な連絡が欠けた
4.情報関係に人材を得なかった。情報任務が日本軍では第二次的な任務に過ぎなかった。
5.日本軍の精神主義が情報活動を阻害することになった。効率をないがしろにして、ただ攻撃あるのみを強調した。

 

 
日本人はどうしようもない。
一部の軍部の馬鹿に責めを負わせるものなら良いが、果たしてそうだろうか?
日本人が21世紀、グローバル革命(英語の革命)、IT革命(コンピュータの革命)、金融革命(数学の革命)に立ち後れた原因もその辺にあるような気がしてならぬ。

 

堀氏は1913年生まれ。
陸大から、昭和18年大本営参謀になり、水野さんの映画「シベリア超特急」で有名な山下奉文大将に可愛がられ、大本営情報部きっての切れ者と言われた人。
精神主義が幅をきかせている中、理詰めで考えるタイプの参謀だった。
しかし、いかんせん出世して、大本営に上がってくるのが遅すぎた。
ひとつ思うのは、精神主義がなければ、もっと早い時期に降伏できたのではないか?
行き過ぎた精神主義が合理主義を阻害した。
ドイツ戦線でドイツが圧勝すると思ってたのなら、日本人はアメリカの生産力を馬鹿にしている。
おそらく、ドイツとアメリカの両方ともに知っている人間がいなかったのだ。
(ライブドアから再掲示)

 

大本営参謀の情報戦記 堀栄三 文春文庫

投稿ナビゲーション