好天の府中、前日の雨で芝の時計が掛かっているとみるか、スローの追い込みレースと見るかで迷ってしまった。
(正解は時計が掛かっていた)。

パドックでは秋のマイル王ダノンシャーク、ダービー卿の覇者モーリスの気合い乗りがよかった。ブレイズアトレイルはさらに踏み込みもよく見えた。後は東京新聞杯の覇者ヴァンセンヌもまずまずの気迫。ダイワマッジョーレ、リアルインパクト、サトノギャラントは小足を使っている。昨年のNHKマイル王者ミッキーアイルはこぢんまりとしている。

レースはミッキーアイルが好スタートを切るが、4年前のこのレースの勝者リアルインパクトが押してハナにたつ。二番手に8枠からケイアイエレガントが上がり、三番手にレッドアリオンと一番人気のモーリスが速くも上がってくる。
好位勢にミッキーアイルは下げ、フィエロとクラレントがモーリスをマークする形。
中団のインにダノンシャーク、中にヴァンセンヌがいる。
淡々とレースは進み、前半57秒3と近年の安田記念では平均ペース。
直線を向いてケイアイエレガントが一旦トップに立つが、モーリスが余裕を持って残り300で先頭に立ちそのまま一着でゴールイン。
中団からはヴァンセンヌがジリジリと伸びてくるが、クラレントに前をふさがれ外に持ち出し、結局鼻差モーリスに後れを取り二着止まり。
好位からはクラレント、フィガロが追いすがるが伸びきれずそれぞれ三着、四着に終わる。
五着は先行策から粘ったケイアイエレガント。
ダノンシャークはインから大外に切り替えるが、伸びきれず馬群に沈んでしまった。
サクラゴスペルは後方から進んで後方のまま終わる。

モーリスは吉田厩舎から堀厩舎へ転厩後、4連勝で一気にG1馬の仲間入り。父スクリーンヒーローも産駒初G1制覇を成し遂げた。堀厩舎はダービーに続き二週連続G1制覇。栗東の吉田厩舎はダートしか走らないから転厩は正解だろう。ただ今までスタートは下手だったのに、何故か今日は好発進で先行してそのまま押し切る地味な横綱相撲には驚いた。だからこの馬の上がりは34秒と大したことない。同厩のリアルインパクトはまたもやアシスト役に徹し、モーリスにとって速くも遅くもないペースを作ってくれた。堀厩舎のストロングリターンが勝った時のようにまた言われるだろうな。戸崎を下ろしたのは堀調教師の好判断だと思うが。

ヴァンセンヌは上がりが33秒7とメンバー中トップだったが、瞬間的に鋭い脚がないから、クラレントに少し寄られて慌てて外に出したのが敗因。福永を下ろせば秋には鋭さを見せるかも知れない。

クラレントはマイルC3着から3年経ってまた府中マイルG1で3着。複勝の穴としては美味しい馬だ。
フィエロは休み明けの前走マイラーズCを追い込んで3着と好走したが、二走ボケかな。

モーリスは勝てると思ったが、二着のヴァンセンヌは三番人気と固かったので、ダノンシャークから二着付けで流してしまった。
クラレントから馬連に流した方が外れても面白かっただろう。

安田記念 2015 モーリス

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