巨匠セシル・B・デミル監督(十誡、クレオパトラ、平原児)が自ら制作もして、アメリカ大陸横断鉄道の建設を描いた西部劇映画。アクションシーンがたっぷりだ。

1940年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第8位。第1回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。

 

あらすじ

 

リンカーン大統領は、太平洋鉄道法を成立させアメリカ大陸の東西を結ぶ大陸横断鉄道を敷設しようとする。敷設距離に応じて政府融資が下りる。これには、南北戦争で分裂したアメリカをもう一度一つにしたいという思いがあった。リンカーンの死後もこの事業は続けられた。

東部はユニオン鉄道が中西部のネブラスカ州オマハまで既に通じていたので、そこから延伸する。一方、西部のセントラル鉄道はサクラメントから延伸する。このようにして東西鉄道会社が敷設距離を争った。

東部の銀行家バロウズは、セントラル鉄道の株を買い占めた。敷設距離争いに勝てば株価が高騰すると考えたためだ。そこで賭博師キャンポーに、作業拠点にカジノを設け、ユニオン鉄道の作業員をギャンブル漬けにするよう命じる。キャンポーは同じ賭博師ディックや用心棒たちを雇い入れ、作業員達を酒と賭博漬けにして、ユニオン鉄道の工期を遅らせる。

そこでユニオン鉄道は、現場の風紀建て直しのため作業監督にジェフを任命し派遣する。ジェフとディックは南北戦争の戦友だったが、再会した時は敵同士だった。さらにまずいことにディックの愛人モリーは、ジェフに惹かれていく。

キャンポーとディックは頭部から送られる作業員の給与を強奪する。ジェフはディックを追い詰めるが、ディックは盗んだ金を持ってモリーの元へ逃げ込む。ジェフは、モリーを問い詰めるが、白を切る。キャンポーたちがディックを救援に来た時、ジェフを助ける条件でディックと結婚すると宣言し、喜んだディックはそのまま結婚式を挙げに教会に行ってしまう。モリーは渋々結婚するが、ディックに盗んだ金を返させる。ジェフは手下と再びキャンポーを訪れ、誰が犯人かと尋ねると、ディックだと白状した。そこでディックを逮捕しようとするが、モリーの機転でディックに逃げられてしまう。

キャンポーの影響力を排除して、ユニオン鉄道は大きく西進するが、途中インディアンに襲われ、軍によってジェフ、モリー、そして貨車に隠れていたディックの三人だけが助かる。さらに西進すると、雪山にぶつかり、列車の転落事故で運転手が死亡する。それでもユニオン鉄道がセントラル鉄道を大きくリードして、合衆国政府が決めた合流地点ユタ準州プロモントリーサミットでセントラル鉄道と接続する。

記念式典の最中、キャンポーがジェフを撃とうとするが、間違えてディックを射殺してしまう。今際の際にディックはジェフにモリーを頼むと言い残す。

 

 

雑感

 

敷設距離はユニオン鉄道1700km対セントラル鉄道1100kmだった。

インサイダーで儲けようとした人間がいたかは定かでないが、ユニオン鉄道の資本家で自分の所有地の近くに鉄道を通して、ボロ儲けをした人間はいる。

インディアンは鉄道を通すため、土地から引き離され居留地に押し込められて食糧であるバッファローも駆除されたため、本当に工事現場に襲ってきた。

この映画は昔何度か観たことがあるが、カット版だったのでノーカット版は初めて見た。モリーの父が事故で死ぬシーンは今まで見たことがなかった。

悪役のしかも端役にアンソニー・クインが出ている。将来主役になる人って、端役が下手だなあ。

 

 

スタッフ・キャスト

 

監督 セシル・B・デミル
製作 セシル・B・デミル
原案 アーネスト・ヘイコックス
脚本 ジャック・カニンガム
撮影 ヴィクター・ミルナー

配役
ジェフ  ジョエル・マクリー
ディック  ロバート・プレストン
モリー  バーバラ・スタンウィック
キャンポー  ブライアン・ドンレヴィ
フィエスタ  エイキム・タミロフ
リーチ  リン・オヴァーマン
リング  ロバート・バラット
ジャック  アンソニー・クイン
モリーの父  J・M・ケリガン
資本家バロウズ  ヘンリー・コルカー

 

大平原 Union Pacific 1939 セシル・B・デミル制作 パラマウント (パラマウント日本支社国内配給) 第1回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品

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