萩尾望都原作の漫画をアニメ映画化した作品。原作をできる限り忠実に再現している。(ただし「続・11人いる!東の地平 西の永遠」のことは考慮していない)

筋書きはよくご存じの通り。
宇宙大学入試の実技試験として、10人一組となり公転軌道を回っている無人の宇宙船に乗り込む。そこで53日間団体生活をするのが目的だ。ところが数えてみると、受験生は11人いるのである。一体誰が何のために入り込んだのか。

この作品は1977年のNHK少年ドラマ「11人いる!」と違って、結末は原作通りである。構成に萩尾望都が入っているためだ。萩尾望都はNHKでのドラマ化によほど頭に来たと察せられる。

EDテーマを聞いていると女性歌手だとばかり思っていたが、なんと男性歌手だった。これも主役フロルベリチェリ・フロル(両性具有である)を考慮しての人選だろう。

 

問題は配役にある。フロル以外は鉄壁の布陣なのだが、フロル役が当時若手女優の河合美智子だったのだ。
この映画上映の3年前に、相米慎二監督の実写映画「ションベンライダー」の僕っ娘役で永瀬正敏、坂上忍と共演してデビューした(ちなみに併映映画は「うる星やつら・オンリーユー」)が、声優としては未知数だ。おそらく東宝営業の圧力なのだろうが、これが酷い棒演技だった。唯一の汚点だw。

それでも最後にフロルが病院のバッドに横たわりながらタダに「俺、お前がそう言うんなら、なってもいいや、女に」と言うところは、誰がやっても胸がワサワサと来る名シーンだったw。

 

 

監督 – 出崎哲冨永恒雄
製作 – 多賀英典
原作・構成萩尾望都
脚本 – 今泉俊昭、小出一巳
作画監督 – 清水恵蔵
キャラクターデザイン – 杉野昭夫、清水恵蔵

 

声の出演
タダ – 神谷明
フロル – 河合美智子
王様 – 田中秀幸
四世 – 古川登志夫
ガンガ – 玄田哲章
アマゾン – 鈴置洋孝
ヌー – 若本紀昭
石頭 – 池水通洋
赤鼻 – 塩屋浩三
トト – TARAKO
チャコ – 柏倉つとむ

 

 

主題歌 「僕のオネスティ」 歌:川上進一郎
作詞:神沢礼江/作曲:川上進一郎/編曲:星勝

挿入歌 「とことん I LOVE YOU」 歌:河合美智子
作詞:谷穂ちろる/作曲:面輪かおり/編曲:ライオンメリー

 

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劇場用アニメ映画「11人いる!」 1986 キティフィルム制作 東宝配給

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