江戸川乱歩らしい変態小説w。「人でなし」というタイトルに謎がある。

 

あらすじ

 

ウブな「私」(満島ひかり)が名家の門野家お坊ちゃん(高良健吾)と見合いした。彼は気難しいという噂だったが、案外優しくて何よりイケメンだったのでトントンと話が進み、祝言を挙げることができた。
祝言のゴタゴタも終わり、姑も優しくて、嫁と案外居心地がいいと思った。

ところが半年もすると夫に本当に愛されているのか疑問を持つに至った。夫は夜の営みも心ここに在らずで、一人で蔵に入ってしまう。
私も蔵に行くが、外から聞き耳を立てる。すると夫と女が睦んでいる声が聞こえる。浮気だと思い、事が終わって夫が出て行ってから相手が出ていくのを待っていたが、誰も出てこない。
そうなると蔵の中に無数にある長持の中に隠れているに違いない。鍵を持って潜むこむと、片っ端から開き調べたが誰もいない。ふと気付くと、長持の横に白木の箱がある。それを開くと、、、全ての謎が解けた。
そこにあったのは、精密に作られた女の子の人形であった。夫は一人二役で女の声も出していたのだ。私は逆上して人形をバラバラにしてしまった。

その夜、夫は夜中に再びいそいそと蔵へ急いだ。しかし何時間経っても帰ってこない。私はなにかあったかと思い、蔵へ急ぐと夫は代々伝わっている名刀で自害していた。よく見ると人形の口からまるで夫の血が流れたようだ。人形は血を吸って笑っているように見えた。

 

雑感

 

このエピソードは、好きな話だ。実際、女性以外な「もの」に対する嗜好を持った男性は多い。彼らは女性の生臭さが嫌なのだ。

これは、ナレーターを使わない一人語りだ。好きな人は好きだろうな。筆者は第三者がナレーターをするスタイルの方が好きだ。

だから、三幕の中でも第一幕の「お勢登場」が最も良かった。

 

スタッフ&キャスト

 

演出 渋江修平
出演 満島ひかり(一人語り)、高良健吾

 

 

人でなしの恋 NHK BS 2018.12.30 満島ひかり×江戸川乱歩(第3期)第三幕

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