第二次世界大戦終了後、ドイツは廃墟となったがナチスは占領下にあっても抵抗運動を繰り返していた。英軍将校は妻をハンブルクに呼ぶのだが、ドイツ嫌いだった妻は次第にドイツ人建築家の同居人に対して関心を抱き始める。
リディアン・ブルックのベストセラー小説「モーガン夫人の秘密」をジェームス・ケント監督が映画化した。
主演はキーラ・ナイトレイ、共演はスウェーデン人のアレクサンダー・スカルスガルド。
あらすじ
第二次世界大戦直後、レイチェルは英国軍人の夫ルイスが復興とため赴任しているハンブルグに到着する。彼らは軍が接収した建築家ルバートの屋敷に住む。ルイスはルバートと娘を気の毒に思い、難民キャンプに行く代わりに屋根裏部屋に住まわせる。レイチェルはドイツ軍の空襲で一粒種の息子を失っており、ルバートたちドイツ人に反感を最初感じていた。
ルイスはナチス残党が起こすテロ(ヴェアウルフ)対策で忙しくてレイチェルを全く構ってやれない。レイチェルは二人で話し合う時間が欲しかったのだが、気持ちがすれ違っていく。そんな時、ルバートが妻を空襲で亡くしたことを知り、相手に関心を抱き始める。
夫が仕事で呼び出された夜に二人は結ばれる。その後も二人は夫の目を盗み情事を重ねる。しかしルバートにはドイツ国内での移動許可が下りなかった。ナチスである疑いが掛かったからだが、実際はフレーダのBFバーティがヒットラー・ユーゲントだったのだ。
レイチェルは夫ではなく同僚バーナムの妻スーザンに許可証を発行を依頼する。間もなく許可証は発行されるが、二人の仲は夫の知るところになってしまう。ところがバーティが夫と間違えて運転手を殺してしまう。夫らはバーティを追い詰め、バーティは氷上を逃げるが氷が割れて水中に落ちて死ぬ。
ルバートは傷心の娘と旅立つことになり、レイチェルもついていく決心をする。夫ルイスはレイチェルに亡くなった息子に対する想いを語り、忘れるために仕事に集中していたことを告白する。レイチェルは思わずルイスを抱きしめてしまう。一度はルバートたちと駅に向かうが、結局二人に別れを告げルイスの元へ戻る。
雑感
旧東ドイツのドレスデン大空襲は有名だが、旧西ドイツのハンブルクがここまでひどく空爆されていたとは知らなかった。
ラストに実はルバートがガチのナチス信奉者でレイチェルが恐怖のどん底に落とされるというオチなら良かったのだが、あまりにありがちな復縁話だった。原作があまりにしょうもなく、乙女すぎる。
キーラ・ナイトレイも仕事を選んで脱がなければならない。こんなしょうもない小説で脱ぐ必要があるのか?
またなぜ、反ナチスだったルバートをスウェーデン人が演じているのか?ドイツ人は反ナチスを演じると、都合の悪いことがあるのか?
それから原作を読んでいないからわからないが、フレーダは事件にどこまで関与していたのだ?レイチェルが夫に対する愚痴を零していたのか?それをフレーダが面白おかしく大袈裟にしてバーティに話したのでないか。
スタッフ
監督ジェームズ・ケント
脚本ジョー・シュラップネル、アンナ・ウォーターハウス、リディアン・ブルック
原作リディアン・ブルック『モーガン夫人の秘密』
製作ジャック・アーバスノット、マルテ・グルナート
製作総指揮カルロ・デュシ、ジョー・オッペンハイマー、ベス・パティンソン、リドリー・スコット
音楽マーティン・フィップス
撮影フランツ・ルスティヒ
キャスト
レイチェル・モーガン – キーラ・ナイトレイ
ステファン・ルバート – アレクサンダー・スカルスガルド
夫ルイス・モーガン大佐 – ジェイソン・クラーク
ルバート氏の娘フレーダ – フローラ・ティーマン
バーティ – ヤニック・シューマン
友人スーザン – ケイト・フィリップス
夫の同僚バーナム – マーティン・コムストン
親衛隊員ジークフリード・ライトマン – アレクサンダー・シェーア