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資産家で飛行家のハワード・ヒューズ原作を「上海特急」のジュールス・ファースマンが脚色し、ハワード・ホークスとヒューズ自身が製作・監督したカルト西部劇
1943年公開時に検閲に引っかかり公開中止に追い込まれた。5年掛かって裁判を行い、1948年アメリカの検閲を通り全米で公開された。
日本では1952年に公開された。
撮影はグレッグ・トーランド、格調高い映画音楽はヴィクター・ヤング
 
主演は新人ジェーン・ラッセルジャック・ビューテルで、共にデビュー作。
共演はトーマス・ミッチェル、ウォルター・ヒューストン
 
 

雑感

 
投資金額を回収できないから、製作者としてのハワード・ヒューズが公開に拘るのはよくわかる。
しかし、初めに撮っていた大監督ハワード・ホークスが降りたのに、適当な代役を立てず製作ハワード・ヒューズ自身が二時間映画の監督(編集)をしてしまった。
だから、この映画の出来は悲惨なものになってしまった。
 
それでも映画のラストでホリディが死んでからのビリーとパットのやり取りは、非常に楽しかった。
最後の部分だけは、ホークス監督の撮ったところなのだろう。
史実では、実際にパット・ギャレット保安官がビリー・ザ・キッドを射殺している。ドク・ホリデーは関わりない。
 
監督が誰かによって、映画の出来がこれまで悪化するとは驚きである。
 
ジェーン・ラッセルは、これが映画デビュー作。1943年に彼女のナイスボディーの映画宣伝用ポスターをばら撒いたため、全米に存在を知られるようになる。
しかし映画「ならず者」はすぐ公開中止になる。彼女は、1948年に「腰抜け二丁拳銃」の主演(共演ボブ・ホープ)で一流スターの仲間入りをする。
彼女は、ハワード・ヒューズの魔の手に掛からなかった数少ない女優の一人である。
 
 
 

キャスト

 
ジェーン・ラッセル  リオ
ジャック・ビューテル  ビリー
トーマス・ミッチェル  パット
ウォルター・ヒューストン  ドク・ホリデー
 
 
 

スタッフ

 
製作  ハワード・ヒューズ
監督  ハワード・ホークスハワード・ヒューズ
脚色  ジュールス・ファースマン
撮影  グレッグ・トーランド
音楽監督  ヴィクター・ヤング
主題曲 チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」第一楽章
 
 

ストーリー

 
ニュー・メキシコの町に有名な銃の使い手ドク・ホリディが盗まれた愛馬を探しに現われた。
旧友の保安官パットが馬を見つけるが、今は、あの若者ビリー・ザ・キッドが持ち主だった。
しかしビリーがパットに傷つけられると、ビリーをホリディの愛人リオの家にかつぎ込み、保安官の追跡をまくため、一人で荒野に逃げた。
リオは、ビリーが兄を殺し自分を犯した仇だったので、殺してしまおうと何度も試みる。しかし、一か月の介護をしているうちに、再びビリーと結ばれる。
ホリディが戻ってきたので、ビリーはリオに対する態度を変えて、立ち去ろうとする。リオは、怒りに燃えて水筒に砂を詰めた上、保安官にも彼らの行き先を知らせた・・・。
 
水筒の中味に気付いたビリーは、リオの家に戻り、彼女を木に縛りつけて立ち去った。ホリディが保安官に捕まると、ビリーの哀れな姿を見る。
ビリーは、リオがやはり心配になって引き返したところを捕らえられた。そのとき、インディアン襲来ののろしが上がる。身を守るためにホリディとビリーは手錠を外され、パットと三人で敵の攻撃をかわした。
インディアンが去ると、パットとビリーは対決する。結局、パットにホリディは射たれた。その代わり、ホリディの墓にビリーの墓銘碑を建てる。
さらにビリーは、逮捕しようとするパットを手錠で柱に縛りつけた。そして、ビリーは死んだことにして、ビリーとリオは静かな生活を求めメキシコに旅立つ。
 
 
 
ならず者 The Outlaw 1943 RKO製作・配給 – ハワード・ヒューズ監督のカルト映画

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