4人のアフリカ系アメリカ人(黒人女性の愛と別離を描いた女性群像劇
原作はテリー・マクミランの同名ベストセラー小説を彼女とロナルド・バスが共同脚色し、俳優フォレスト・ウィテカー(「バード」「スモーク」)が監督した。
撮影はウィテカー出演の「レイジ・イン・ハーレム」を担当した栗田豊通ベイビーフェイスが初の映画音楽を手掛け、アレサ・フランクリン、チャカ・カーンらのソウル・ナンバーが流れる。

主演はホイットニー・ヒューストン(ボディガード)、アンジェラ・バセット(マルコムX、TINA)、ロレッタ・デヴァインレラ・ローコン
共演はグレゴリー・ハインズ

 

雑感

四人の黒人女性の一年間を追うだけで、とくに意外なことが起きるわけでもない。
ただ、70-80年代の白人女性がしていたのと同様のことを裕福になった90年代の黒人女性がし始めていたのが分かる。
彼女らは、白人の真似をすれば、黒人も幸せになれると勘違いし始めたのだ。

この頃の黒人映画って「ソウル・フード」(1997)みたいなハート・ウォーミング・コメディ映画が記憶に残る。
この「ため息をつかせて」を観ていると何か違うと思ってしまう。

ホイットニー・ヒューストンが歌った原題と同じ題名の主題歌「Waiting to Exhale」は、一週だけ全米チャート第一位になった。
そのタイトルを「ため息をつかせて」と訳すのは、間違いだ。「一息つかせて」の方が正しい。いろいろあったけど、最後は全員ハッピーになったのだから。

栗田豊満撮影監督は、他にも「クッキー・フォーチュン」「お引越し」(相米慎二監督)「御法度」(大島渚監督)などを撮影していて、現在は東京芸術大学映像学科の教授である。

キャスト

ホイットニー・ヒューストン  サバンナ
アンジェラ・バセット  バーナディン
ロレッタ・デヴァイン  グロリア
レラ・ローコン  ロビン
グレゴリー・ハインズ  マーヴィン
デニス・ヘイスバート  ケネス
ミケルティ・ウィリアムソン  トロイ
マイケル・ビーチ ジョン・シニア
レオン  ラッセル
ウェンデル・ピアース  マイケル
ドナルド・アデオサン・フェイソン  グロリアの息子タリク
ジェフリー・サムズ  ライオネル
ブランドン・ハモンド  ジョン・ジュニア
ケニア・ムーア  デニス
ラモント・ジョンソン  ジョセフ

スタッフ

監督  フォレスト・ウィテカー
製作  エズラ・スワードロウ、デボラ・シンドラー
製作総指揮、脚本、原作 テリー・マクミラン
製作総指揮、脚本  ロナルド・バス
撮影  栗田豊通
音楽  ケネス・“ベイビーフェイス”・エドモンズ

ストーリー

大晦日にサヴァンナ(ホイットニー・ヒューストン)はTVプロデューサーとして、デンバーから親友バーナディン(アンジェラ・バセット)のいるフェニックスに引っ越してきた。
その日、バーナディンは、夫ジョンから彼が経営する会社の白人女性従業員と一緒になるので離婚すると宣告される。
彼女は、美容院を経営している友人グロリアに、サヴァンナを紹介する。グロリアは別れた夫デイヴィッドと間に一人息子タリク(ドナルド・アデオサン・フェイソン)をもうけているが、デイヴィッドからゲイだと告白をされる・・・。

彼女たちの親友ロビン(レラ・ローコン)は、保険セールスウーマンとして経済的に自立し美人だが、男運はどうしようもなく悪い。恋人ラッセル(レオン)は他の女性に取られてしまう。
サヴァンナは、既に結婚した元彼ケネス(デニス・ヘイスバート)と再会する。彼は妻との離婚を考えていると言うので寝てしまうが、騙されているのかも知れない。
財産分与裁判で悩むバーナディンはジェームズという弁護士と出会い、「特別な一夜」を過ごす。彼は、今はガンで余命いくばくもない妻を看取っていた。
グロリアの家の隣にマーヴィン(グレゴリー・ハインズ)が引っ越して来た。息子がマーヴィンに懐くのを見て、彼女の心が動く。
ロビンは、他の女と結婚しているラッセルの子を妊娠する。が、一人で子供を育てる決心をする。サヴァンナも結局ケネスと別れる。バーナディンは、ついに離婚訴訟に勝った
大晦日のパーティがやって来る。この一年を思い返して皆は、一息つくのだった。

 

 

 

ため息をつかせて Waiting to Exhale 1995 20世紀フォックス製作・配給 – ホイットニー・ヒューストンとアンジェラ・バセットの共演作

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