2022年に人口爆発が起きて、ニューヨークの貧しい人に対してごくわずかな食料配給が行われている超格差社会で起きた殺人事件を巡るSFミステリー映画。原作はハリイ・ハリスンの「人間がいっぱい」。

監督は日米合作戦争映画「トラ・トラ・トラ」の名匠リチャード・フライシャーだ。
脚本はスタンリー・R・グリーンバーグ。撮影は「アンドロメダ・・・」のリチャード・クライン

主演はチャールトン・ヘストン、チャック・コナーズ、共演はエドワード・G・ロビンソン、ジョセフ・コットンなど。

Synopsis:

2022年、世界は人口爆発と環境汚染で超格差社会化して、貧乏人には食糧と水の配給制となっている。しかも天然の野菜や肉、魚の収穫量が激減したため、ソイレント社が海洋プランクトンから合成するソイレントレッド、ソイレントイエロー、ソイレントグリーンだけが配給される。

ソイレント社重役のサイモンソンが殺される。ソーン刑事は物取りに見せかけた暗殺だと見抜く。犯行当時、サイモンソンのボディガード・タブと「家具」シェリルは買い物で外出していた。「家具」とは高級マンションの部屋に付属する高級娼婦のことである。

ソーンがタブの部屋に行くと、ボディガードに相応しくないリッチな生活を送っていた。タブが内通者らしい。また上層部は捜査の中止を命じるが、ソーンは断る。ソイレント社経営陣の内紛のよる犯罪らしい。

そんな中、老いた学者でありソーンの「本」(ブレイン)であるソルは、ソーンが証拠物件として持ち帰った書物からとんでもない事実を発見する。この世界に絶望したソルは「ホーム」に入り、安楽死処分を受ける。ソーンはソルの今際の際に間に合い、ソイレント社の悪事を知り証拠を握ろうとする。

「交換所」は死体の廃棄施設になっていた。そこに潜り込んだソーンは死体からソイレントグリーンが生成されるところを見たのだ。今や大部分の人類は人を食っていたのだ。サイモンソンもこの事実を公言する恐れがあったので殺されたに違いない。
途端にソイレント社の暗殺者が襲いかかってくる。最後はタブソーンの一騎打ちとなり、難民収容所と化した夜中の教会で大騒ぎを引き起こして、雌雄を決する。

 

Impression:

1973年という時代背景を考慮しなければ、今どきの人間には分からないことだらけかも知れない。リー・テイラー=ヤングとの濡れ場もヘストンの事情で隠さなくて良いところまで隠してる感じだった。

何せ当時は日本は好景気(列島改造論バブル)でインフレになっていた。今は金利が上がらない日本でさえインフレなのだから、他の西側先進国はさらにインフレで、公害問題に悩んでいた。50年後に世界が人口がネズミ算的に増加してエネルギー食糧難が来るという予想はかなり信憑性があったのだ。

実際は先進国ではレジャーのおかげで出生率が減り始め、後進国との人口比に対して富のバランスが崩れた。先進国に後進国から移民が流入しているが、富の偏在は変わらずそれに反発するイスラムテロも多発している。
予想は外れたが、別の驚異が現れたわけだ。

チャールトン・ヘストンとしては、年には勝てぬか、お腹が出っ張りが気になるところ。スタントマンも使っているだろう。
悪役チャック・コナーズにはとうてい敵わないと思うが、最後は難民が大勢宿泊している教会で周りの迷惑も顧みずドンパチして、チャールトン・ヘストンが倒したことになっている。でも、ヘストンも病院へ搬送中にご臨終と言うことになりそうだ。どうせこの問題は伏せられるのだ。

嬉しいのは往年の大俳優エドワード・G・ロビンソンが重要な役で出演していること。映画では安楽死するが、この作品が遺作となってしまった。

ジョセフ・コットンも被害者役で出演している。この人は80年頃まで活躍した。

 

Staff/Cast:

監督 リチャード・フライシャー
脚本 スタンリー・R・グリーンバーグ
原作 ハリイ・ハリスン 「人間がいっぱい」
製作 ウォルター・セルツァー、ラッセル・サッチャー
音楽 フレッド・マイロー
撮影 リチャード・H・クライン
編集 サミュエル・E・ビートリー

 

 

出演
チャールトン・ヘストン: ロバート・ソーン 14分署刑事
エドワード・G・ロビンソン: ソル・ロス元教授、ソーンの「本」(ブレイン)
チャック・コナーズ: タブ・フィールディング サイモンソンのボディガード
ジョゼフ・コットン: ウィリアム・シモンソン 富豪
リー・テイラー=ヤング: シェリル サイモンソンの「家具」

ソイレントグリーン (Soylent Green) 1973 MGM配給 「2022年に世界は人口爆発で深刻な食糧難になる」

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