(総評)今期は前期と同様に新型コロナで制作延期されていたテレビアニメが完成して豊作になった。
ただしコロナゆえに下請けに委ねた回の絵が露骨に下手になってムラのある時期でもあった。また新作より、旧作品の第二期、第三期が、制作のしやすさから好んで作られた。

第一位 ウマ娘プリティダービーSeason2

大混戦の中、第一回、第四回、第五回、第八回、第十回、最終回と神回を6つも決めた「ウマ娘」第二期が第一期に続いて今季の覇権を奪った。


トウカイテイオーのレースは初東上した第四戦の若葉Sから続けて見てきたから思い入れもひとしおだ。さらにメジロマックイーン、ライスシャワー、ツインターボと、トウカイテイオーと同時代のライバルたちも群像劇として描いて、厚みのあるストーリーに仕上げた。

第二位 のんのんびより のんすとっぷ(第三期)

この第三期は新キャラを二人(あかね、しおり)起用し、主役四人(れんげ、蛍、夏海、小鞠)だけでなく、一穂、ひかげ、楓、このみの八人の群像劇になっている。
ただ今までシーズンとは、笑いの質が若干変わった。その点は惜しい。それもそのはずで、吉田玲子の脚本回がこれまでで最も少なかった。
なお、制作側は今回でシリーズは終了と発表している。原作者もネタ探しに疲れたのだろう。

第三位 ひぐらしのなく頃に業(第二クール)

前期に続き二連覇はならなかった。
いよいよ沙都子が新たなループ現象の黒幕とわかるが、沙都子のループは意外な人物の心境の変化を呼んで、沙都子は宿敵梨花だけでなく他の村民も毒牙にかけているらしい。

2021年夏シーズンから新シリーズ「ひぐらしのなく頃に卒」が始まる。

佳作 ゆるキャン△SEASON2

前シリーズと特に変わったところはないため、佳作止まり。

佳作 ホリミヤ


漫画「堀さんと宮村くん」のアニメ化作品。戸松遥の女子高生ものの傑作は「となりの怪物くん」だが、それと何処となく雰囲気が似通っている。

佳作 弱キャラ友崎くん


同名ラノベのアニメ化作品。友崎くんが男としてのレベルを、クラスメート日南葵の指導のもとに一段ずつ登っていく話。
金元寿子のヒロイン作品だと信じているが、同学年の茅野愛衣がライバルだけに油断はできない。

特別賞 はたらく細胞BLACK


「はたらく細胞」は綺麗事だけではない。中年男性の体を蝕む生活習慣病を元に病気の闇の部分を描く。働く男性は見なければならないアニメだった。特別番組の性病回はとくに良かった。

 

音楽賞 ユメヲカケル(ウマ娘プリティダービーSeason2 主題歌)歌:Machiko(センター)

やはり今季話題になったのは、ウマ娘アプリの公開だった。それに先駆けてアニメ第二期が始まり、「ユメヲカケル」が主題歌となり、大きな盛り上がりを見せた。アプリ大ヒットの先鞭をつけたのが、この主題歌だ。このタイトルは、元々はトウカイテイオーの写真集の題名だった。


アニメ映画がコロナ不況下でも強かった。昨年は「鬼滅の刃」が史上一位を「千と千尋の神隠し」から奪ったが、今年春は「シン・エヴァンゲリヲン」「ガールズ&パンツァー最終章第三部」が公開され、いまだにベストテンにいる「鬼滅」と共にベストテンの3つを占める勢いだ。そこに来月は「名探偵コナン」新劇場版が加わる。
実写版映画もアニメの実写化が頼りだ。売れる映画はそんなもので良いのだ。コロナ対策を行なっている小劇場で本物の映画を楽しめれば、それが正しい映画鑑賞法だ。

 

テレビアニメに話を戻す。
他にも「無職転生」をはじめとするなろう系やRPG系が相変わらず多かった。名作と言われた「無職転生」はまだ良いけれど、他はワンパターンで時間潰しにもならない。

 

 

 

 

 

 

2021冬のベストアニメは何か?

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