(★)傑作モノクロ恋愛映画。二人の女性に魅了される男の選択を描く。

監督・脚本はエリック・ロメールで「六つの教訓話」シリーズの第三作目にあたるが、主演ジャン・ルイ・トランティニャンが多忙のため製作が遅れたので四番目に公開された。
白黒映画で、撮影は巨匠ネストール・アルメンドロス
音楽はモーツァルトの「バイオリンとピアノのためのソナタ(一般にヴァイオリン・ソナタと呼ばれる)」が使用されている。
 
主演はジャン・ルイ・トランティニャン
共演はフランソワーズ・ファビアン、マリー・クリスティーヌ・バロー
 
 
 

雑感

 
ネストール・アルメンドロスモノクロ撮影が美しすぎる。日本映画でも冬の北海道映画はモノクロの方がいい。この映画でも雪山の麓の街が主な舞台だから、モノクロ映像はぴったりだ。
 
ジャン・ルイ・トランタニアンの頑固なカトリックとしてモードとベッドを共にしながら「据え膳くわぬ行為」は、最終的に彼に幸せを呼び込む。モード家で鼎談していた三人の中では、一番まともな役だったから、こうなるだろうと思った。
バイオリニスト巨匠のレオニード・コーガンが、特別出演している(演奏シーンのみ)。
 
 

キャスト

 
ジャン=ルイ・トランティニャン  私
フランソワーズ・ファビアン  モード
マリー・クリスティーヌ・バロー  フランソワーズ
アントワーヌ・ヴィテーズ  学生時代の友人ヴィダル
マリー・ベッカー  モードの娘
レオニード・コーガン  本人(バイオリニスト)
 
 
 

スタッフ

 
製作総指揮  バーベット・シュローダー、ピエール・コトレル
製作  アルフレッド・ド・グラーフ、ピエール・グランベール
監督、脚本  エリック・ロメール
撮影  ネストール・アルメンドロス
音楽  ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
 
 
 

ストーリー

 
もうすぐクリスマスの頃、フランスの高地にあるクレルモン・フェラン市に住んでいて、敬虔なカトリック教徒である「私」は、教会のミサでフランソワーズを見て一目惚れするが声をかけ損ねる。
その後、「私」は学生時代に親友だった大学講師ヴィダルと久しぶりに再会し、彼のセフレであるモードの家を訪れる。モードは、シングルマザーの女医だった。パスカルとキリスト教について彼らは盛り上がる。
雪が降りだしたので、ヴィダルはイヤイヤ帰った。私は、モードの部屋に共に泊まっていく。しかし、2人の間に結局何もなかった。

翌朝、雪の町でフランソワーズと出会い、彼女は学生だったため学生寮まで車で送って行く。しかし、雪で車が動かなくなり、そのまま私は、学生寮の一室を一晩借りて眠る。翌朝、彼女は過去の男性との悲しい別れを打ち明けるが、私は思い切って愛を告白する。
 
数年後、妻となったフランソワーズと子供を連れた私は避暑地の海岸で、モードとバッタリ再会した。彼女はあの後、ヴィダル以外の男と再婚するが上手くいかず別れてしまう。私は、モードにフランソワーズを紹介すると、2人は知り合いだった。
 
モードと別れた後で、フランソワーズは泣き出す。夫とモードの間に何かあったのだと察したのだ。私は、モードとの肉体関係はなかったとはっきり言って、家族を連れて海に泳ぎに行く。

 

 

モード家の一夜 Ma Nuit Chez Maud 1968 ロサンジュ他製作

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