(☆)自主製作短編SF映画
1983年度日本SF大会「DAICON4」で上映するため、8ミリフィルム映画(上映時間28分)として制作された。

総監督及び主演(変身後のウルトラマン役)は庵野秀明。あの岡田斗司夫(現評論家)が脚本を担当し、武田康廣澤村武伺がプロデューサーを務めた。
特技監督は赤井孝美。庵野は完成直前に監督を解任され、最終的に特技監督の赤井孝美が引き継いだ。

雑感

学生の作ったウルトラマン自主映画が、監督が世界的に有名になるや、天下の円谷プロ公認になり、今や共同で配信されている。

DAICON FILMの発足以前に庵野秀明ら制作出演陣が、ウルトラマンの自主制作短編映画を作成していた。さらにウルトラマンDXと名付けられ、今作品と同様の庵野の顔出しウルトラマンが登場する自主制作短編映画も制作している。タイトルでは、庵野らが制作した「ウルトラマンが帰ってきた」ことになっている。

基本的には、前半は「ウルトラセブン」のオマージュ作品であり、後半が「帰ってきたウルトラマン」のオマージュになっている。従って、雰囲気にかなり変化はあるが、セブンも新マンも一種の悲劇性のような共通点があるから、違和感なく溶け込んでいる。

ただ、庵野監督の顔出しウルトラマンは異様であるw。そして完璧主義者の庵野監督が途中で降板させられるのも、今となっては何時ものことだ。

キャスト

イブキ隊長:武田康廣
ハヤカワ:林収一
MAT隊員:澤村武伺、業天隆士、西由紀、西垣寿彦
ウルトラマン:庵野秀明
怪獣:田村紀雄
ナレーター:清積則文

スタッフ

脚本:岡田斗司夫
撮影・編集・特技監督・監督:赤井孝美
プロデューサー:武田康廣、澤村武伺
総監督:庵野秀明
企画・製作:DAICON FILM

ストーリー

ある朝、ヒラツネ市に、隕石が落下し、市街地は死者16000人を数え廃墟と化した。怪獣攻撃隊MATの司令室では、ヒラツネ市の被害状況が再現されていた。隕石の中から3体の生命体が出現して移動を開始していた。イブキ隊長は、ヒラツネ市への隕石落下を、宇宙人による外宇宙からの侵略行為と断定する。イブキ隊長は、地球防衛軍参謀本部から、「市街地は全滅して生存者はなし。怪獣に対する核兵器の使用は止むなし」との報告を得る。
そのころ、マットジャイロ部隊3機は、現場での怪獣への攻撃を開始する。しかし、3体の怪獣は合体して、巨大怪獣「バグジュエル」に変身した。息子のイブキ隊員は、怪獣の攻撃によりマットアロー1号ごと撃墜される・・・。

翌朝、地球防衛軍参謀本部からの「午前8時に、怪獣を核兵器で攻撃せよ」との命令が伝えられる。イブキ隊長は、マットアロー1号に熱核兵器を搭載して、自身で攻撃すると行って発進する。ハヤカワ隊員は、反対するが隊長に軍紀違反を理由に謹慎を命じられる。
監禁されていたハヤカワ隊員は、ウルトラアイで巨大化しMAT基地を破壊しながらウルトラマンに変身した。ウルトラマンは、ヒラツネ市上空でイブキ隊長のマットアロー1号を捕獲し、核ユニットを外し、イブキ隊長に倒れている場所を教えた。
ウルトラマンとバグジュエルとの戦いは、熾烈を極めた、ついにウルトラブレスレットでバグジュエルのバリヤを破壊して、スペシウム光線で倒すことが出来た。

 

 

帰ってきたウルトラマン マット1号発進命令 1983 DAICONフィルム製作 – 庵野秀明監督の自主製作映画

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