書けない作家と少女のアメリカ南部からアムステルダム、西ドイツの各所を巡るロードムービー。
「緋文字」の撮影期間にリュディガー・フォーグラーとイェラ・ロットレンダーが仲良くなったことで監督は着想を得た。
監督は四作目のヴィム・ヴェンダース、「まわり道」「さすらい」と続くロードムービー三部作の第一作。

 

あらすじ

 
ヴィンターは、アメリカで出版社と契約した記事がスランプで書けない。ドイツに帰って書き直すつもりだが、ストライキでドイツ直行便が飛んでいない。アムステルダムへのチケットを買うために旅行会社の窓口へ行く。そこで少女アリス、母親リザと知り合う。
翌朝、リザはホテルに「アムスで待つ」というメモを残して、恋人と別れ話をしに出かけた。結局ニューヨークからアムステルダムへヴィンターとアリスは二人だけで向かった。しかしアムスでもリザは現れなかった。
ヴィンターは、アリスの記憶を頼りにドイツのウッターバルで祖母を探す。しかし、そこではなかった。ヴィンターは、アリスを警察に預けるが、ホテルに帰るとアリスが逃げてきていて、おばあちゃんの家の場所をを思い出す。しかし祖母は二年前に引っ越してイタリア人が住んでいた。そして警察から、祖母とリザが見つかったと連絡があり、急遽リサのいるミュンヘンへ向かう。
 

 

雑感

 
ヴェンダースの第四作。
主人公の二人はミュンヘン行きの列車に乗り込み、そこで映画は終わる。おそらくミュンヘンで娘を引き渡して、お終いとなるのだろうが、肝心のそこを敢えて描いていない。
これこそ、ヴェンダース的だ。
彼はこれからロードムービー三部作を取るが、それによって自分のスタイルを磨いたように感じる。

 

 

スタッフ・キャスト

 
監督 ヴィム・ヴェンダース
製作 ヨアヒム・フォン・メンゲルスハオゼン
脚本 ヴィム・ヴェンダース、ファイト・フォン・フェルステンベルク
撮影 ロビー・ミューラー
音楽 CAN
 
キャスト
リュディガー・フォーグラー:フィリップ・ヴィンター
イェラ・ロットレンダー:アリス
リザ・クロイツァー:アリスの母

都会のアリス Alice in den Städten 1972 西ドイツ ヴィム・ヴェンダースのロードムービー三部作第一弾

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