一連の松竹犯罪映画の一つ。
初期松竹ヌーベルバーグでもある。
小山明子のまだ青い魅力が炸裂している!
彼女が連続レイプ犯の毒牙に掛かるからだ。
歳末であわただしい東京の街は、四日目ごとに出没する強姦殺人魔の恐怖におののいていた。夏山警部補と、杉刑事はその捜査本部の一員だった。杉は夏山の娘綾子と将来を誓い合った仲だった。クリスマスの夜、綾子は杉を食事に誘ったが、捜査会議で杉は出られなかった。ひとり淋しく映画を見て、十時頃郊外の駅に降り立った綾子は、暴行魔に襲われて第四の犠牲者になってしまった。
あらすじは扇情的だが、内容はエド・マクベインのような警察映画だ。
上映時間 63分(何かの併映映画で、いわゆるシスター映画と言われる)
配役は笠智衆が父で刑事、彼にサスペンスや警察ものは不向きだ。
水戸光子はやさしい母、当時、日本の代表的母親像になっていたと思う。
渡辺文雄は下っ端刑事で明子の婚約者。当時東大の先輩高橋治監督に可愛がられていた。
捜査一課長に松本克平。
それより鑑識課長三井弘次が良かった。
得意の酔っぱらいシーンはなかったけど。
監督 高橋治(東大文学部卒)
脚本 田村孟(デビュー作だから、まだ個性は出ていない。)
彼女だけが知っている 1960 松竹