(☆)
証券マンと社長夫人の間に起きるロマンティック・コメディ映画。

製作は「暴力脱獄」のゴードン・キャロル
同じく「暴力脱獄」のハル・ドレスナーが原案・脚本を担当し、同じくスチュアート・ローゼンバーグが監督した。

テクニカラー、パナビジョン作品で撮影はミシェル・ユーゴー、音楽はバート・バカラックがそれぞれ担当している。
主演はジャック・レモンカトリーヌ・ドヌーヴ
共演はピーター・ローフォード、ジャック・ウェストン、マーナ・ロイ、シャルル・ボワイエ

雑感

この作品は、ジャック・レモンの相手役としてシャーリー・マクレーンが挙げられていたが、マクレーンが映画「スイート・チャリティ」の宣伝で忙しくで断った。
そこでフランス人のカトリーヌ・ドヌーヴにお声が掛かったようだ。ドヌーヴは、英仏合作の「うたかたの恋」に出演していたが、アメリカ映画は初めてだと思う。

キャスディングは、ピーター・ローフォードジャック・ウェストンだけでなく、戦前の美人女優マーナ・ロイとフランスの大スターであったシャルル・ボワイエを起用して大成功だった。

しかし、肝心の作品はおとぎ話のように、何の障害もなく二人はパリに飛んでいってしまう。せめて1950年の映画「旅愁」のように飛行機がどこかの無人島に不時着させた方が面白かった。映画では、肝心のパリのシーンは全く出てこない。

バート・バカラック作詞作曲のヒット曲「小さな願い」(I Say A Little Prayer) が冒頭のパーティー・シーンで印象的に歌われる。ディオンヌ・ワーウィックの1967年ヒット作だが、翌年にはアレサ・フランクリンもレコードを出し、世界中でヒットした。この映画内ではスーザン・バレットが歌っている。

制作会社ジャレム・プロとは、ジャック・レモンの個人プロダクション。
飛球会社もマイナーだったが、東和が輸入して国内配給した。

キャスト

カトリーヌ・ドヌーヴ  カトリーヌ
ジャック・レモン  ハワード事業部長
ピーター・ローフォード  ガンター社長
ジャック・ウェストン  シュレーダー弁護士
マーナ・ローイ  グレース・グリーンロー夫人
シャルル・ボワイエ  アンドレ・グリーンロー氏
サリー・ケラーマン  ハワードの妻フィリス

 

スタッフ

製作  ゴードン・キャロル
監督  スチュアート・ローゼンバーグ
原案、脚本  ハル・ドレスナー
撮影  ミシェル・ユーゴー
音楽  バート・バカラック
主題歌 ディオンヌ・ワーウィック「April Fools」
挿入歌  スーザン・バレット「小さな願い」

 

ストーリー

ハワード(ジャック・レモン)は、ニューヨーク・ウォール街の敏腕証券マン。家に帰れば、女房フィリスと息子に無視されるダメ親父だった。ガンサー社長(ピーター・ローフォード)は、彼を投資部長に昇格させ、さらに親睦を深めるため超高級マンションの自宅のパーティに招いた。そこで、ハワードは美しいカトリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)に一目惚れする。2人は意気投合し、パーティーを抜けだして、変わったナイトクラブに出かけた。
二人の様子を見た中年夫人のグレース(マーナ・ロイ)は、同情し豪華な邸に招く。グレースの夫アンドレ(シャルル・ボワイエ)は、フェンシングが上手な変わり者だった。ハワードとカトリーヌは、グレースの温室で口づけをした。そして、カトリーヌは、夫と離婚して故郷のパリへ帰る、とハワードに告げた。
遅くなって家に帰れなくなったハワードは、カトリーヌを送った後、夜明けのセントラル・パークで一休みする。そこで一匹のヒキカエルの見た。「蛙のような俺もきっと王子様になれるんだ」・・・。

ハワードはその脚で会社に退職届を提出し、カトリーヌの自宅に向かった。彼女は社長夫人だと知ったが、それでも驚かなかった。
カトリーヌは、もう会うこともないと思っていたハワードと再会しパリへ駆け落ちすることになった。ハワードは隣人の弁護士シュレーダー(ジャック・ウェストン)にフィリスとの離婚を相談した。一方、カトリーヌも夫に離婚を告げた。
その夜、ハワードは妻に離婚宣言し、そのままシュレーダーの車でケネディ空港に行く。カトリーヌは、飛行機に先乗りして、カエルのおもちゃを隣の席ににおいて、待っていた。そこへハワードが飛びこんで来た。パリで幸せになるため、2人は飛び立って行った。

 

 

幸せはパリで The April Fools 1969 シネマ・センター映画製作 ナショナル・ジェネラル映画配給 – カトリーヌ・ドヌーヴのロマンティック・コメディ

投稿ナビゲーション