有名な作家O.ヘンリーの5つの短編を5人の監督で映画にしたもの。

ヘンリーは様々な職業に就き、アメリカの様々な土地を転々として刑務所にも入り、晩年になりようやくたぐいまれな文才を発揮したがその頃には肝硬変が悪化して47歳でなくなっている。

この映画では後にノーベル賞を獲得するジョン・スタインベック(「二十日鼠と人間」「怒りの葡萄」「エデンの東」)自ら進行役になりO.ヘンリーの足跡と作品を紹介する。

まず刑務所暮らしの経験から描かれる作品として「警官と賛美歌」だ。監督はヘンリー・コスタ(「ハーヴェイ」「オーケストラの少女」「歌え!ドミニク」)。チャールズ・ロートンはNYのホームレス老人であり、寒い冬を刑務所で過ごそうと軽犯罪を繰り返し行うが、なかなか捕まらない。そして教会で聞いた賛美歌に心が洗われ一からやり直す気になるが・・・街の女役で当時売り出し中のマリリン・モンローが少しだけ登場する。

「ラッパのひびき」、監督はフィルム・ノワールの巨匠ヘンリー・ハサウェイリチャード・ウィドマークディル・ロバートソンは幼なじみ。しかし今では二人とも故郷を離れ、ウィドマークはギャングになりロバートソンは刑事になっていた。ロバートソンはウィドマークが人を殺した証拠を握るが、大金を昔借りたままになっていて、逮捕できない・・・ウィドマークのゲス演技に注目。

最後の一葉」、監督はジーン・ネグレスコ(「百万長者と結婚する方法」「愛の泉」「足ながおじさん」)。男に振られてアン・バクスターは生きる希望を失い肺炎にかかった。そして冬の寒さに木が葉を落とす様を見て絶望する。ジーン・ピータースはそんな彼女を懸命に看病するが、一向に良くならない。そこで売れない老画家が一計を案じる・・・

「赤い酋長の身代金」、監督は巨匠ハワード・ホークス(「教授と美女」「赤い河」「三つ数えろ」)。詐欺師フレッド・アレンオスカー・レヴァントが少年を身代金目的で誘拐する。ところがその少年は評判のワルだった・・・

そして最後は「賢者の贈り物」、監督はヘンリー・キング(「慕情」「回転木馬」「キリマンジャロの雪」)。貧しい夫婦ジーン・クレインファーリー・グレンジャーはクリスマスを前に互いに相手へのプレゼントに頭を悩ませる。ジーンはカツラ屋の広告を見て、美しい髪を売ってプレゼントを買うが・・・


 

5人の監督といい、俳優陣といい壮観だった。
でも当時の20世紀フォックスは若手二枚目男優が弱かったかな。

有名作品は期待してしまうのであら探しもしてしまうが、そうでもない作品は安心して見られた。
とくに「ラッパのひびき」は落ちも秀逸。
「赤い酋長の身代金」は間抜けな詐欺師二人組とくに名脇役オスカー・レヴァント(「巴里のアメリカ人」)が楽しい。

人生模様 1953 20世紀フォックス

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