高木彬光の同名推理小説を高岩肇が脚色し、田中重雄が監督したミステリー映画
主演は、田宮二郎
共演は、藤村志保、江波杏子、滝田裕介。白黒映画。

あらすじ

瀬川は証券会社に勤めていた頃、証券売買で失敗して、会社をクビになり、借金を今も抱える。そのおかげで、友人俊子の腹違いの妹である恋人栄子とも別れざるを得なかった。栄子は、友人である七洋化学常務の荻野と泣く泣く結婚した。
瀬川は、ある商社に再就職した。その社長沢井は産業スパイであり、七洋化学の新製品を盗みだすことを瀬川は命じられた。早速、瀬川は荻野と旧交を温めた。栄子とも外で人目を忍んで会うようになった。
瀬川は荻野に招かれた。栄子は留守だった。荻野の隙を見て特許申請書をカメラに取ったが、それは荻野の張った罠だった。瀬川がスパイであると言う密告電話が荻野にあったのだ・・・。

 

雑感

産業スパイ絡みの殺人事件と思わせておいて、被害者の遺産が絡んでくるとは面白い趣向だ。
しかし、実行犯の条件を満たす人物は一人しかおらず、わかりやすい。
とくに予告編を見ただけで、すぐわかってしまう。
大映宣伝部もどうにかならなかったのか。
泉かおるは、知らなかった女優だ。藤村志保と感じがよく似ているから選ばれたのだろう。でも大根。
藤村志保がいつもと違い、影のある役を好演。

 

スタッフ

企画  三輪孝仁
原作  高木彬光
脚色  高岩肇
監督  田中重雄
撮影  森田富士郎
音楽  古谷充とザ・フレッシュメン

キャスト

瀬川繁夫  田宮二郎
室崎俊子(栄子の姉)  藤村志保
荻野栄子(荻野の妻)  泉かおる
山口和美(瀬川の愛人)  江波杏子
沢井幹雄(瀬川の社長)  滝田裕介
石田警部補  早川雄三
荻野省一(七洋化学常務)  夏木章
西脇貞子(荻野の実妹)  毛利郁子
本田恭子(検事の婚約者)  小村雪子
近藤節子  香山恵子
西脇恒治  島田竜三
小島一郎  浜田雄史
藤田利之(荻野の部下)  木村玄

 

***

その夜、荻野は殺され、指紋を残していた瀬川が疑われた。瀬川の愛人和美は、その場しのぎのアリバイを申し立てた。しかし、瀬川が訪れると、彼女は自宅で殺されていた。警察は瀬川を指名手配した。
荻野の死後、相続人である栄子と実妹貞子は2:1で遺産分割することを一旦は同意した。しかし瀬川が犯人なら、栄子も共犯の可能性があり、そうなると相続欠格となり、相続人でなくなる。貞子は、栄子を激しく責め、栄子は寝込んでしまう。

友人恭子が栄子を訪れた夜、栄子はガス自殺を図っていた。恭子から知らされた瀬川は、密告者が真犯人だと気づく。栄子のもとへ急行した瀬川は、医者に化けて栄子を殺そうとする沢井と各投資、これを倒す。実は俊子が、荻野家の財産を奪うため、沢井に会社を作らせて、仕組んだ殺人計画だった。
瀬川は、外国旅行に飛び立つ栄子を見送りに行き、再起を誓うのだった。

***

 

密告者 1965 大映東京製作 大映製作 田宮二郎主演サラリーマン・ミステリー

投稿ナビゲーション