久しぶりに三強戦コントレイルvsエフフォーリアvsグランアレグリア)を単勝と3連単2点勝負で気持ちよく勝たせてもらった。

レースは、3歳牡馬のエフフォーリアが、4歳牡3冠馬のコントレイルさらにG1-5勝馬の名牝グランアレグリアを倒して、天皇賞馬の称号を手に入れた。3才の秋天馬はシンボリクリスエス以来だ。
エフフォーリアは、エピファネイヤの子である。そしてエピファネイヤはシンボリクリスエスの子である。要するに父系孫だった。シンボリクリスエスは、皐月賞に出走できなかったから、この馬はそれ以上になるかも知れない。

出走馬

枠馬、馬番、馬名、馬齢、斤量、騎手、厩舎、馬体重(増減)
1 1 コントレイル 牡4 58.0 福永 栗東矢作 464(-8)
2 2 カデナ 牡7 58.0 田辺 栗東中竹 478(+2)
2 3 モズベッロ 牡5 58.0 池添 栗東森田 482(+2)
2 4 ポタジェ  牡4 58.0 川田 栗東友道 474(+2)
3 5 エフフォーリア 牡3 56.0 横山武 美浦鹿戸 514(+4)
3 6 トーセンスーリヤ 牡6 58.0 横山和 美浦小野 488(0)
4 7 ワールドプレミア 牡5 58.0 岩田康 栗東友道 482(-4)
4 8 サンレイポケット 牡6 58.0 鮫島駿 栗東高橋忠 472(0)
5 9 グランアレグリア 牝5 56.0 ルメール 美浦藤沢和504(+2)
5 10  カイザーミノル 牡5 58.0 横山典 栗東北出 466(-2)
6 11  ムイトオブリガード 牡7 58.0 柴田善 栗東角田492(-10)
6 12  ラストドラフト 牡5 58.0 三浦 美浦戸田 462(-6)
7 13  ペルシアンナイト 牡7 58.0 大野 栗東池江 490(-12)
7 14 カレンブーケドール 牝5 56.0 戸崎圭 美浦国枝482(+2)
8 15  ヒシイグアス 牡5 58.0 松山 美浦堀 492(+2)
8 16  ユーキャンスマイル 牡6 58.0 藤岡佑 栗東友道500(-16)

 

レース前の状況

前走から見ていこう。1枠1番コントレイルは春の「大阪杯」以来7ヶ月ぶりのレースだ。その際は、道悪で離れた3着に敗れている。今回、体重を減らしていることから仕上がっているのだが、久々の不安がある。それに横幅に成長が今一つ感じられない。関西テレビのインタビューにも福永騎手は、絶対勝つとは言わなかった。元来は自在性のある先行差し馬だ。

3枠5番エフフォーリアは、ダービー以来の5ヶ月ぶりだ。ダービーでは、シャフリヤールにゴール前で差されて敗れた。今回は、前から見て筋肉が広がって、4キロ増は成長分と言える。休み明けから勝負ができる状態だ。元来は先行馬。

5枠9番グランアレグリアは、安田記念以来の4ヶ月半ぶりだ。その際は、ダノンキングリーの2着に敗れている。プラス2キロで、ゆったり目に馬体を作っている。2000m未勝利だけに、早めのペースで馬を後ろに下げて最後の坂で瞬発力勝負になることが望ましい。
あと毎日王冠の出走上位1、2着馬は、マイルCSに向かったため、天皇賞・秋の出走馬にとっては、マイラーより中長距離向きのレースになった。

こういう風に並べると、エフフォーリア以外の三強を軸に押す強さを感じられない。もしコントレイルが大阪杯を勝ち、グランアレグリアが安田記念に勝っていれば、この2頭で決まりだったが、これではエフフォーリアを軸にせざるを得ない


相手は、痩せても枯れても三冠馬とG1-5勝馬だろう。負けても大崩れしないからだ。万一、グランアレグリアがスローペースで包まれて大負けした場合は、エフフォーリアからポタジェとヒシイグアスへのワイドを保険に持っておこう。
パドックで、ワールドプレミアが入れ込んでいる。これはダメだ。

実際のレース

そして、スタートを迎える。
三頭とも良いスタートを切った。コントレイルは、少しフラフラしているが上手くエフフォーリアの後ろに馬を入れた。ところが、グランアレグリアがそれより先に先行していたのである。コントレイル中心に見ていたから、まさかそこまで出ていっているとは思わなかった。
レースは、横山父のカイザーミノルがペースを握り、前半60秒5のスローに落とし、グランアレグリアはあまりの遅さに、先頭にたっても可笑しくないぐらい行く気満々である。エフフォーリアは七番手の真ん中を気分よく走っているが、コントレイルは9番手のインでハミを取りそうになっている。
直線を向いて、グランアレグリアはできるだけジワーと先頭に立たせようとルメール騎手が制御している。エフフォーリアは、そのグランアレグリアをすぐには追わず、じわっと外に出してもコントレイルが来るを待つ。コントレイルは、中団馬群を捌いて外に出してエフフォーリアをターゲットに入れた。
残り400の標識で、ようやくエンジンの入ったエフフォーリアが押し上げてくる。グランアレグリアとの差を詰めて、さらに交わしにかかる。グランアレグリアは、それに耐えるだけのスタミナは残っていないようだ。コントレイルは、エフフォーリアとの差を詰めるが、生来の瞬発力の無さで届きそうに無い。
結局、コントレイルがグランアレグリアを交わしたところが、ゴールであり、エフフォーリアは1馬身先にゴールしていた。

 

馬場状態

まず当日の雨だが、ダートが稍重になっていたので、切れ味を削いだと思う。グランアレグリアは、切れ味タイプの後ろから飛んで来る馬である。その馬が前につけたという事は、追い込みをかけた時に雨で滑るのが怖かったのではないか。

Bコースに替わって、インコース有利と言われていたが、雨の降り始めた日曜日は、インコースだけじゃなくて中枠もよく走っていた。最内は昨年と違い意外に来ていない。外枠は、7枠より8枠の方が良さそうだ。コントレイルにとって、団子レースの1枠は抜け出しにくい面がある。さらに非社台・ノーザン系3冠馬は、いつも周りを囲まれるから、包まれやすい。それでもクラシック三冠は勝ち抜いたが、古馬戦になって上手くいかなくなった。
びびったのは4着に入った穴馬サンレイポケットである。これも4枠でコントレイルが抜けた最内を上がってきた。

エフフォーリアが負ける場合

ただし好位コントレイルが、先行エフフォーリアと差しグランアレグリアの間にいる場合は、コントレイルがかなり有利だろう。三強戦では、真ん中に入るのが、両方の動きを見ることが出来てベストである事が多い。
だから、1番のポイントは、枠順だった。

それからもう一つあるだが、早い逃げ馬をラビットに採用してグランアレグリアに差させるのも有効な手段。ノーザンだけでも一杯オープン馬がいるから、そう言う逃げ専門の馬を育てておけば良いのだ。

天皇賞・秋(第164回) エフフォーリア 横山武 (2021.10.31)

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