ハードウェアが揃ったからと言って、すぐアナログプレーヤー・ライフを楽しめるわけではない。
ハードであるプレーヤーとくにターンテーブルやユニバーサルアームの使いこなしが重要になる。ターンテーブルは音質的に癖があり帯電しやすくなっているゴムのターンテーブルシートを新しい製品に交換する。Thorens オリジナルのコルクマット、さらにSunshine のマグネシウム・シートとAETのポリマー素材の三種を導入した。一つ一つはオリジナルのゴムシートよりずっと薄いからいくつかを組み合わせて使うことになろう。ディスクスタビライザーもThorens 純正品を買ったが、少し頼りなかったので改めてORBのマグネシウム製品を導入した。マグネシウムはターンテーブルやセンタースピンドルの制振材として使われている。
ユニバーサルアームSME 3009Rは有名な3009シリーズに属し、カーボンファイバーの最終製品である。中古品だが、なかなか頑丈な造りで生半可な制振材など不要と思わせる。しかしそれだけにカートリッジ交換となると、左手だけでは小一時間細かな調整が必要になる。
まずカートリッジを取り付けウェイトを加減してゼロバランス(水平)を取る。本来のウェイトにサブウェイトが付加されて、Shure V15の軽針圧カートリッジからOrtofon SPUのシェル一体型重量級カートリッジまで対応可能だ。さらにアームの高さ調整、ラテラル調整(横方向の調整)、針圧調整、インサイドフォースキャンセラ調整も行う。カートリッジは盤外に流れ気味なので重量級カートリッジを使用する場合はインサイドフォースキャンセラを切る方が良さそうだ。
ようやくレコードがかけられるようになったが、右チャンネルの音が出ない。再調整してみる。カートリッジが左に傾いているのか?この原因究明に二晩かかってしまったが、結局ML-1の出力端子と表示されているものが違っていたというアホみたいな理由だった。