家に住みついたセント・バーナード犬の活躍を描く子供向けホーム・コメディ

エイミー・ホールデン・ジョーンズエドモンド・ダンテスが脚本を書きヴィクター・ケンパーが撮影し、ブライアン・レヴァントが監督した。製作総指揮はアイヴァン・ライトマンである。

主演はチャールズ・グローディン(ミッドナイト・ラン)、ボニー・ハント(ジュマンジ)。

ストーリー

ペット・ショップから泥棒によって盗み出されたセント・バーナードの子犬は、捕まった車から脱出に成功する。子犬は、ニュートン家に入り込み、子供たちのアイドルになり買われることになった。
ベートーベンの交響曲第5番を聞かせると喜んで吠えたことからベートーベンと名付けられる。日に日に大きくなったべートーベンは、小屋に入れられて暮らす。しかし、小屋の裏に穴を掘り、逃亡仲間のブルテリアと遊んだり、長女ライスの恋のキューピッドになったり長男テッドを虐める悪ガキを退治して、家族の一員として楽しく過ごす。

パパは実業家だったが、事業の拡張を図って出資者を募り、この機にママに職場に戻って来て欲しいと言う。ママは、子どもの世話をシッターに任せて、仕事に出る。シッターは、いい加減な小母さんだったため、末娘のエミリーがプールで溺れてしまう。ベートーベンは離れた小屋にいたが、飛び出してエミリーを助ける。おかげでシッターは、その日限りでクビになった。

パパの会社に投資家のカップルが現れ、商品をとても気に入る。パパは自宅にカップルを招くが、ベートーベンはカップルが悪巧みをしているのに気付き、彼らを追い出してしまう。悪巧みのことを知らないパパは、カンカンだ・・・。

 

雑感

俳優がほとんど知らない顔ばかりの子供向け低予算コメディだが、結果的に人件費がかからないおかげで大きな収益を上げた。

最初、パパ役にかなりの大物(スティーブ・マーティンら)をオファーしたそうだが、脚本が酷すぎて断られたようだ。そもそも1990年末の「ホーム・アローン」と30年前の「101匹ワンちゃん」を混ぜて改悪したような脚本だったから仕方がない。
ところが、子供はそんなことにはお構いなく、犬が主役のコメディならなんでも良かったようだw。それ以来、犬の「ベートーベン」シリーズは、2014年まで全八回作られた。アメリカ人の子供は、大型犬種映画(ラッシーやリンチンチン、ウォントントンなど)に弱い。

なお、最初にベートーベンと一緒に脱出したブルテリアは、ラストで「スパーキー」と名付けられる。

スタッフ

監督  ブライアン・レヴァント
製作  ジョー・メジャック、マイケル・C・グロス
製作総指揮  アイヴァン・ライトマン
脚本  エドモンド・ダンテス、エイミー・ホールデン・ジョーンズ
撮影  ヴィクター・J・ケンパー
音楽  ランディ・エデルマン

 

キャスト

実業家ジョージ・ニュートン  チャールズ・グローディン
妻アリス・ニュートン  ボニー・ハント
ヴァーニック獣医師  ディーン・ジョーンズ
長女ライス  ニコール・トム
長男テッド  クリストファー・キャスティール
次女エミリー  サラ・ローズ・カー

 

***

以前、予防注射を受けたことがあるバーニック獣医が訪ねてきてベートーベンを診てやろうと言う。しばらくして、バーニックの悲鳴が聞こえた。見に行くと、バーニックは血だらけで、ベートーベンに噛まれたと言う。彼は、ベートーベンを処分することを強く薦める。彼の言葉を信じたパパは、ベートーベンを彼に委ねる。
しかし、家族の猛反対に会い、もう一度バーニックに相談しようと医院を訪問するが、ベートーベンは他の施設に移された後だった。パパとママと姉弟は、バーニックの跡を追って、人気のない倉庫に行き着く。そこで、今からベートーベンの処分を始めるのを知り、パパは天窓から乗り込む。しかし、バーニックはパパに銃を向ける。そこにテッドが運転する車が突っ込み、驚いたバーニックは持っていた注射を自分自身に刺してしまい、失神する。
結局バーニックは、最近横行していたペット泥棒の親玉であり大量のペットを実験用に飼育していることがバレて、裁判で有罪になった。一躍ニュートン家は、街の人気者になり、長女ライスにも好きな男子から電話がかかってきた。夜になって夫婦は寝室に戻るが、そこにはベートーベンと一緒に救出された犬たちが寝そべっていた。

ベートーベン Beethoven (1992) ノーザン・ライツ製作 ユニバーサル配給

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