ヴィム・ヴェンダース監督のカンヌ国際映画祭監督賞受賞作品。
ヴェンダース監督の「パリ・テキサス」は見たことがある。
アイデアは簡単。天使、堕天使は本来死ねないが、
基本的設定はここまで。脚本は殆どない。
ホメロス というベルリンの生き字引みたいな老人が読むユダヤ系批評家ベン
ヤミンのエッセイを天使カシエルが聞いている。 ホメロスの戦前のベルリンとポツダム広場に関する言葉( ナチス前の平和な社会とナチス後の暴力的社会) は映画全体の通奏低音になって最後まで視聴者の心に響いている。
天使の一人ダミエル(ブルーノ・ガンツ)はアメリカ人俳優ピーター・フォーク(本人)と出会い、 人間になることを勧められる。( 実はピーターも以前は天使だった) ダミエルは空中ブランコのマリオンを愛していた。 ダミエルはサーカス団が解散した日に還俗してマリオンの前に現れ る。 ところがマリオンは平然としてダミエルに向かって歴史に関われと アジるのだった。 要するにベルリンの壁をいつか壊そうと言ったのだ。
監督 ヴィム・ヴェンダース(カンヌ国際映画祭監督賞)
脚本 ヴィム・ヴェンダース 、 ペーター・ハントケ
製作総指揮 イングリート・ヴィンディッシュ
撮影 アンリ・アルカン(ローマの休日)
音楽 ユルゲン・クニーパー
Damiel ブルーノ・ガンツ
Marion ソルヴェイグ・ドマルタン
Cassiel オットー・ザンダー
Homer クルト・ボウワ
Peter Falk ピーター・フォーク
恋愛と戦争を結びつける発想の原点は映画「二十四時間の情事」だったらしい。そして20世紀初頭の思想家ベンヤミンと彼が大事に持っていた
ただ、この映画を作ったのはベンヤミンでもパウル・クレー、
次のドイツ政権が移民排斥の方向に舵をとると、
壁を取り払って元に戻せば何もかも元に戻るかもしれない。
広島みたいに残した方が良いものもあるのだ。