本当は市川崑監督の1956年版「ビルマの竪琴」を見たかったが、残念ながら今年も同監督の1985年版しか放映していなかった。

竹山道雄が1947~8に発表した童話をもとにして映画化された。1956年にはビルマ・ロケの許可がなかなか下りなかった関係で第1部と第2部に分けて上映された。1985年は上映時間2時間13分とやや長かったが、まとめて一本として上映された。

 

音楽学校で将校率いる井上小隊長は隊員に合唱や音楽を教え込み、暗号通信や娯楽に活用していた。中でも水島上等兵は音楽の才能があったらしく、隊長が少し手ほどきしただけで竪琴自在に演奏できるようになってしまった。1945年になって井上小隊は敗走を続け、国境間際で終戦を知らされ英国軍の捕虜となる。しかし三角山を死守する隊に総攻撃前の降伏勧告するため、英軍の要請で水島上等兵は隊を抜ける。三角山で懸命の説得を試みるが、その甲斐もなく隊は全滅し水島も脚を負傷して通りがかりの僧侶に救われる。水島は僧侶の衣服を奪って戦友のいるムドン収容所に急ぐ。しかし途中で野ざらしにされた日本兵の骸たちを見つける。

童話だとわかっているから、さほど感情移入できなかったが、それでも「埴生の宿」の合唱シーンはこみ上げるものがある。英国民謡だから敵も味方もなかったし。

監督:市川崑
原作:竹山道雄
脚本:和田夏十

出演

中井貴一
石坂浩二
川谷拓三
渡辺篤史
小林稔侍
北林谷栄(30年前の1956年版でも同じ物売り婆さん役で出演)
菅原文太(全滅する守備隊長)

 

ビルマの竪琴 1985 東宝

投稿ナビゲーション


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です