原題の和訳は「ジュイコットの週末」。ダンケルクからの撤退を描いた映画のフランス版だ。
監督はアンリ ・ヴェルヌイユ、主演J.P.ベルモンド、ヒロインはカトリーヌ・スパーク。

 

あらすじ

 
1940年6月1日、ダンケルクにほど近いジュイコットの海岸に英仏連合軍の兵士達が独軍に追い詰められて逃げてきた。マイヤ(J・P・ベルモンド)はアレクサンドル(F・ペリエ)デリイ(P・モンディ)ピエルソン(J・P・メリエル)の野営に加わった。英国軍は乗船し始めていたが、フランス人の乗船は拒否していた。マイヤは乗船交渉のため仏語が話せる将校に会いに行くと、事務所にいる別の将校を紹介してくれる。しかしその将校がお茶の時間だったために、マイヤは今朝会ったばかりのジャンヌ(C・スパーク)に再び会いに行く。姉妹だけで家を守っているらしい。彼は再び将校に会いに出かけた。将校は貨物船に乗る判子をくれたが、乗船すると途中で爆撃を受けて炎上し始めた。マイヤが慌てて海に飛び込み、負傷した兵士を連れて海岸まで泳ぎついたがその兵士は死んでいた。マイヤがジャンヌの家に行くと彼女に二人のフランス兵がまたがっている。彼は奴らを射ち殺した。ジャンヌは恐怖のあまりマイヤに身をまかせる。マイヤが再びキャラバンに戻ると、マイヤの代りに水汲みに出かけたアレクサンドルは機銃掃射と爆撃で死ぬ。マイヤはなかなか家を出ようとしないジャンヌと結婚の約束をして、約束の場所で待っているとき爆撃を受けた。遠くに荷物を持ったジャンヌがぼんやりと見える。そしてマイヤは死んでいった。1940年6月2日だった。
 

 

雑感

 
監督アンリ・ヴェルヌイユはベルモンドの個性を生かしつつ、自分のカラーも出そうとした。たしかに彼は万能なんだけれども、今ひとつかみ合わなかった。
ジャン・ポール・ベルモンドは緊張感のないトボけた演技で、マイペースに生きるマイユ像を作り出していた。
カトリーヌ・スパークが身長はでかいが、全くの大根。監督の指示には従おうとしているが、演技力が足りない。美人であるだけに、勿体無い。
特撮や使った火薬量は派手だが、キャスティングは良い意味で地味。
音楽は巨匠モーリス・ジャールなのだが、良くコンビを組むシャルル・マーニュとそっくりだと思っていた。
 

 

スタッフ・キャスト

 
監督 アンリ・ヴェルヌイユ
製作 ロベール・アキム 、 レイモン・アキム
原作 ロベール・メルル
脚色 フランソワ・ボワイエ
撮影 アンリ・ドカエ
音楽 モーリス・ジャール

 
配役
マイユ ジャン・ポール・ベルモンド
ジャンヌ カトリーヌ・スパーク
アレクサンドル フランソワ・ペリエ
従軍神父 ジャン・ピエール・マリエル
デリー ピエール・モンディ
ピノ ジョルジュ・ジェレ
 

ダンケルク Week End a Zuydcoote 1964 フランス+イタリア製作 ヘラルド配給

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