売れないロッカーが、名門私立小学校の先生になりすまし、ロックを教える姿を面白おかしく絶妙のテンポで描く音楽映画。のちにテレビドラマやミュージカル舞台になっている。
主演は「愛しのローズマリー」のジャック・ブラック
共演はジョーン・キューザック、マイク・ホワイト
監督は「ビフォア・サンライズ」のリチャード・リンクレイター、脚本は主人公のルームメイト役で出演しているマイク・ホワイト

あらすじ

長年ロック・バンドに所属するデューイは、興奮しやすい性質でバンドの中で浮いた存在だった。ルームシェアしているネッドと恋人のパティは、彼らが立て替えている家賃を請求する。デューイは、それならばバンド合戦で優勝して金を得ようとする。しかしバンドがデューイと方向性が合わなくなり、彼をクビにする。

自宅で呆然とするデューイをネッドと信じて、代理教員募集の電話が掛かる。デューイは教員免状を持っていないのにネッドになりすまし、教職を引き受ける。デューイは小学校に行き、校長のロザリーに挨拶する。この学校は私立の名門であるが、担任の生徒たちに意欲を感じられなかった。
デューイは生徒たちが音楽の授業でアランフエス協奏曲を演奏しているところを見る。それでデューイは彼らの才能を見抜き、教室にギターやベース、ドラム、ピアノなどを持ち込む。そして生徒たちに、突然ロックを教え始める。演奏だけでなく、マネージャー、機材運搬係、防音設置係、コスチュームデザイナー、バンド名を決める係など裏方も含めて担当をクラス全員に与える。バンド・リーダーとリード・ボーカルはデューイである。

生徒たちがロックに染まっていく中、大人しい生徒トミカがヴォーカルをやりたいとデューイに申し出る。素晴らしい歌唱力で、サブ・ボーカル兼コーラスに採用する。
そんな折に、デューイはロザリーから保護者会があることを告げられる。

生徒たちが、デューイに「スクール・オブ・ロック」というバンド名を提案する。校長がスティービー・ニックスが好きと言う話を同僚から仕入れたデューイは、ロザリーをデートに誘う。ロザリーが好きな曲を掛けて、課外授業(本当はロックのコンテスト)に生徒たちを連れていくことの許可を得る。

コンテストを明日に控えて、デューイが代理教員をしていたことが、ネッドとパティにバレてしまう。さらに保護者会でデューイが免状を持たない偽教師だとバレてしまう・・・。

雑感

失意のスタートから大団円まで、スピードのある展開で一気に押し切る。ロック最高と思い、活力を得る作品。

ジャック・ブラックが演じるのは、バンドをクビになったロック・ミュージシャンだが、当時のノリに合わなかっただけだ。30年ほど前なら合っていたはずだ。
そんな男が教師として小学校にやって来て、子供たちにロックの手解きをするだけでなく、クラス全員に仕事を割り振り、誰が1人欠けてもバンドが上手くいかないことを、教え込む。

今はラップ全盛だが、20年ほど前まではロックもラップに引けを取らないぐらい元気だった。特にクラシック・ロックやハード・ロックは親子を繋ぐための話題を提供していた。

今でも活躍している古希ロック・バンドAC/DCの「ロングウェイ・トゥ・ザ・トップ」をアンコール曲と最後の曲に使うなんてジャック・ブラックより上の我々の世代でも泣いてしまう。
ロック万歳である!

校長役は、キューザック一家で地味だが出演映画数が何故か多いコメディエンヌのジョーン・キューザックだが、ここでも良い味を出していた。

スタッフ

監督  リチャード・リンクレイター
製作  スコット・ルーディン
エグゼクティブ・プロデューサー スティーヴ・ニコライデス、スコット・エイヴァサーノ
脚本  マイク・ホワイト
撮影  ロジェ・ストファーズ
音楽  クレイグ・ウェドレン
音楽監修  ランドール・ポスター

 

キャスト

デューイ・フィン(vo,g)  ジャック・ブラック
ロザリー・マリンズ校長  ジョーン・キューザック
友人ネッド  マイク・ホワイト
友人の恋人パティ  サラ・シルヴァーマン
ザック(g)  ジョーイ・ゲイドス・ジュニア
サマー学級委員  ミランダ・コスグローヴ
ケヴィン  ケヴィン・クラーク
ケイティ  レベッカ・ブラウン
ローレンス(kb)  ロバート・ツァイ
トミカ(vo)  マリヤム・ハッサン

ネタばれ

翌朝、学校では保護者全員からロザリーが糾弾されている。その隙に生徒たちは既に契約していたバスに乗り込んで学校から出発し、途中で不貞腐れて寝ているデューイを拾ってコンテスト会場に行く。校長や保護者会は、子供達が消えたのを知って、行き先を探し出す。
デューイたちのバンド「スクール・オブ・ロック」が全てのバンドの最後に登場して、満員の観衆やPTAの前で立派に演奏する。観客からも支持され、保護者たちも子供のステージにノリノリだった。
演奏後、コンテストの優勝者が発表される。優勝は元デューイがいた「ノー・バカンシー」だった。でも生徒たちはいい演奏が出来て満足している。会場からは、「スクール・オブ・ロック」コールが巻き起こり、アンコール演奏が始まる・・・。
大会後デューイは、学校の側に「放課後学校」を開き、教え子を集めてAC/DCの「ロングウェイ・トゥ・ザ・トップ」を演奏していた。ネッドはと言うと、地元の子供たちにギターを教えている。

 

 

 

 

 

スクール・オブ・ロック The School of Rock 2003 スコット・ルディン・プロ製作 パラマウント配給 UIP国内配給(2004)

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