ドナルド・ハミルトンの原作小説を、前作「サイレンサー 殺人部隊」のハーバート・ベイカーが脚色し、同じくヘンリー・レヴィンが監督したスパイ映画。撮影は「俺たちに明日はない」のバーネット・ガフィと「メリー・ポピンズ」のエドワード・コールマン。
主演はディーン・マーティン。
共演はセンタ・バーガー、ジャニス・ルール。
製作はアーヴィング・アレン。
ストーリー
アメリカのスパイ機関ICEが、世界最初の電磁波推進力で動く空飛ぶ円盤を完成させた。試運転で女性パイロットのシーラが搭乗していたが、やがて円盤は何処かに消えてしまった。
マット・ヘルムは、スパイ教習所で美人相手に過ごしていた。そこに記憶喪失になり敵から解放されたシーラが現れた。マットの上司マクドナルドによると、どうやら悪の首領ホセ・オルテガが円盤を奪い去ったらしい。
マットとシーラは、円盤を破壊するためメキシコのアカプルコに向かった。メキシコのビール王クィンターナが経営するビール工場に潜入し、ホセ・オルテガがいることを確認した。
マットらがビールのCMガールたちのお披露目ショーを見に行くと、オルテガの部下に取り囲まれる。そこにフランチェスカという謎の女が現れ、彼らを救った。フランチェスカもスパイで円盤を狙っているらしい・・・。
雑感
歌手ディーン・マーティンのお色気スパイ映画である「マット・ヘルム」シリーズ第三弾。アカプルコでのロケがあるだけで、現地の俳優を多用しているが内容は全くないw。
前年「さらばベルリンの灯」に出演した、オーストリアの美人女優センタ・バーガーが体をこんがり焼いて出演しているが、見せ場は下着姿ぐらいで残念ながら濡れ場はない。彼女の最後は死んだのか、気を失ったのかさえもわからない。
事実上のヒロインは、同僚パイロットのシーラ役ジャニス・ルールだった。彼女は、インテリ女優であって(のちに医学博士の学位を取り、開業する)決してお色気タイプではない。センタ・バーガーの方が好みだったので、少し残念だった。(25)
スタッフ
製作 アーヴィング・アレン
監督 ヘンリー・レビン
脚色 ハーバート・ベイカー
原作 ドナルド・ハミルトン
撮影 バーネット・ガフィ、エドワード・コールマン
音楽 ヒューゴ・モンテネグロ
衣装デザイン オレグ・カシニ
キャスト
マット・ヘルム ディーン・マーティン
フランチェスカ(謎の女性) センタ・バーガー
シーラ(円盤のパイロット) ジャニス・ルール
マクドナルド(上司) ジェームズ・グレゴリー
ホセ・オルテガ(首領) アルバート・サルミ
クインターナ(社長) カート・カズナー
ラブリー・クラヴツァイト(秘書) ビバリー・アダムズ
***
翌日、ビール工場を襲撃したマットはクィンターナから、オルテガの本拠がコパラ谷にあることを突き止める。マット、シーラさらにフランチェスカがそこへ向かった。
マットだけでなくシーラも捕まり、フランチェスカは裏切ってオルテガと独自に商談を始めてしまう。シーラが逃げて円盤に到着するが、オルテガに追い詰められる。しかし、円盤は男性が乗り込むと死ぬようになっていた。オルテガも円盤の電源が入った途端に死んでしまう。
マットは円盤をコントロールしているクィンターナを倒し、レーダー装置を破壊する。円盤を乗せたトロッコは走り出して、崖下に落下して炎上してしまった。マットは、シーラと無事に任務を果たしたのである。