これはなかなか面白かった。
歌姫ビヨンセが製作総指揮とエタ・ジェームズ役で参加している。
主役のチェス役は初めマット・ディロンだったが、エイドリアン・ブロディに交替したそうだ。ただ交替が土壇場だったのか露出は思ったより少なめで、会社創立と要所要所だけ顔を出して、チェス・レコード絶頂時にこれからは下火と見て売却した途端あっさり車にはねられて即死。
リトル・ウォルターのようにチェス・レコードに絡んだ人々は皆、麻薬で早死にしたのかと思って調べてみたが逆に大体70歳ぐらいまで生きていて、チャック・ベリーなんていまだに存命。チェスの教育が行き届いたのか、吸いたいときに交通事故や脱税で刑務所に入っていたせいか?
しかし何と言っても圧巻だったのは、マディ・ウォルターズ役のジェフリー・ライト。ご本人と顔は全く違うが、なにしろ貫禄があった。
1915年、ミシシッピで生まれたマディはギターとブルースの腕が認められ、シカゴに移り住み、第二次大戦後本格的にレコーディング活動をはじめる。1950年頃からチェス・レコードで自分のバンドを率いてヒットを連発。60年代には時流に乗ってフォーク、ロックと活躍の場を替え最終的に6回のグラミーを受賞し83年になくなるが、没後の89年に殿堂入りを果たす。
キャデラックレコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語 2008 ソニー・トライスター