山田信夫が脚本を書き、恩地日出夫が監督した青春純愛映画
カラー映画で、撮影は新人田島文雄
主演は黒沢年雄酒井和歌子
共演は桑山正一、菅井きん、森光子、有島一郎

雑感

二人とも貧しい家庭に生まれ、弟たちの学費という経済的問題を抱えながら愛を育む純愛映画である。
黒沢年雄らしい荒々しさが目を惹く青春映画だが、当時十八歳で清純だった酒井和歌子がブレークした作品でもある。
酒井和歌子のメイクは、当時の川崎市京浜工業地帯)の貧しい人々らしく色黒で野暮ったく見える。その辺りが、アイドルからの脱皮と感じられたのだろう。

努の弟役は、年雄の実弟黒沢博(名曲「三年目の浮気」を歌った「ヒロシ&キーボー」のヒロシ)が演じている。
また、典子の弟は今やベテラン声優の池田秀一(ガンダムのシャー役、戸田恵子の最初の夫)である。

努の親友前田役を俳優柴田昌弘が演じている。
彼は、父が潮万太郎、姉が弓恵子、弟が柴田侊彦という芸能一家に育った。弟と顔がそっくりだったので1980年頃、俳優を廃業して鍼灸師に転向した。

キャスト

黒沢年雄  江藤努
酒井和歌子  今井典子

桑山正一  父江藤順平
菅井きん  母江藤きよ
黒沢博  弟江藤宏
工藤富子  妹江藤友子
森光子  典子の母今井雅枝
池田秀一(子役)  典子の弟今井一郎
有島一郎  典子の叔父今井正治

柴田昌弘  修理工場で働く前田
進千賀子  工場のマドンナ石川綾子
田村亮  白井(綾子の婚約者)
赤木春恵  おばさん
川辺久造  部長
峰岸徹  鍛造部井上
佐田豊  組立部上司渡辺

スタッフ

製作  金子正且
脚本  山田信夫
脚本、監督  恩地日出夫
撮影  田島文雄
音楽  武満徹

 

ストーリー

努は、川崎のある自動車工場の組立工である。定年間際になった父の代りに家計を見なければならなかった。弟の宏は、大学へ行きたいとせがむが、余裕はなかった。
努は、ベアリングの販売店に勤める典子と出会った。典子の父は亡く、母が保険外交員をして細々と暮していた。
車の修理工場に住込みで働いている親友前田から借りたダンプカーで務は、典子と海に行った。典子は、努の誕生日に貝がらをプレゼントした。一泳ぎしてから寝ころんだとき、典子は努に男性を感じて身を引く。
雨の降り出した中、務の顔を見られない典子は荷台に乗り込む。努は、怒り出して一度はトラックを捨てる。しかし、戻って来て、典子にキスしようとする。一度は拒んだ典子だったが、いつしか唇を重ねるのだった・・・。

その頃、典子の母が交通事故で亡くなった。典子は、自活するため、遊園地に勤務する。
一方、努の父が定年になり、努は弟妹の面倒を見なければならなくなった。典子と会えずストレスのたまった努は、仕事でミスを犯し鍛造部に飛ばされた。やがて、努は家出して前田の部屋に住んでいた。
典子は、努がいつか自分の許に戻ってくると思った。努も鍛造部の仕事を楽しいと思うようになっていった。
気が晴れた努は自宅に戻り、日曜日に遊園地の典子を訪ねてみた。典子は努に気付き、二人は互いに熱く微笑み合った。

 

 

めぐりあい 1968.3 東宝東京製作 東宝配給 – 酒井和歌子の映画女優としての出世作

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