(☆)ニュー・ジャージーに住む主婦ニューヨークの美容院で新聞の広告欄を読んだがために、殺人事件に巻き込まれるロマンティック・サスペンス

製作はサラ・ピルズベリー、ミッジ・サンフォード
脚本はリオラ・バリッシュ、撮影はエドワード・ラックマンで、スーザン・シーデルマンが監督した。
主演はアークエット兄弟長女のロザンナ・アークェット英国アカデミー助演女優賞受賞)と「ライク・ア・ヴァージン」をヒットさせた新人歌手でありファッション・アイコンでもあったマドンナ
共演はエイダン・クイン、マーク・ブルーム

ストーリー

28歳の平凡な主婦ロバータは、ニューヨークの美容院で新聞を読んでいて、奇妙な広告を見つけた。「スーザンを必死に探している」というものだ。夫のゲイリーとは結婚4年目だが、既に夫は密かに浮気をしていた。そんな彼女にその広告は、刺激的なものに見えた。

そのスーザンは、21歳で短髪黒髪娘。彼氏ジムがいながら知り合った男ミーカーのベッドで目が醒めた。男が寝ているのを良いことに、よく目立つ女物のイヤリングをもらって帰る。(実は、ミーカーはウェインとエジプト宝物展から古代の出土品であるイヤリングを盗んだ。ところがそのイヤリングをスーザンに持って行かれたことから、仲間割れしてウェインはミーカーを殺す)。

ロバータは、ある日「波止場で会いたい、スーザン」という広告を見つけ、スーザンに会いたくておめかしして出かけた。波止場では、スーザンと恋人ジムと話をしており、ジムはバンド・ツアーで街を離れるので何かあったら親友デズに連絡を取るように伝えていた。スーザンの跡をつけたロバータは、彼女が古着屋に売ったジミ・ヘンドリクスのジャケットを買った。ところが、ジャケットには彼女の私物がいっぱい残っていた。

私物を返すために、ロバータは「波止場で会いたい」という広告を出して、波止場に行く。スーザンを守るように頼まれたデズもそれを見てやって来る。ところが、ウェインもやって来る。ウェインはスーザンの顔を知らないから、ロバータがスーザンに違いないと勘違いして狙ってしまう。その結果、ロバータは頭を打って記憶喪失になる・・・。

雑感

二枚目のアルバム「ライク・ア・ヴァージン」をヒットさせた歌手マドンナ本格的映画デビュー作。内容はパッとしないが、マドンナ人気で大ヒットした。特に彼女の80年代ファッションが決まっていて、見たくなった人も多いはずだ。
ロバータ演ずるロザンナ・アークエットが主人公だ。マドンナの生き方やファッションを追いかけながら、本当の愛をつかむまでを描いている。
映画を見ていない日本人は、スーザン演ずるマドンナが主人公だと邦題を聞いただけで思ってしまうが、マドンナはあくまで筆頭共演者だ。
ロバータがスーザンに間違えられ、命を狙われるサスペンスであるが、怖い感じよりコミカルなシーンの方が多い。最後にロバータとスーザンはバディーになる。

シンセ・ミュージックでノリの良い主題歌「Into the Groove」は、全米ヒットチャートではシングル「エンジェル」のB面だったのでチャートに入っていない。全英はシングルカットされて、映画主題歌ということで全英一位を取った。日本でもディスコで大流行して、シングルカット盤が発売された。最近では、この映画のダイジェストがこの曲のPVとなっている。

スタッフ

製作  サラ・ピルスバリー、ミッジ・サンフォード
製作総指揮  マイクル・ペイサー
監督  スーザン・シーデルマン
脚本  レオラ・バリッシュ
撮影  エドワード・ラックマン
音楽  トーマス・ニューマン
主題歌  マドンナ「Into the Groove」

キャスト

ロバータ  ロザンナ・アークエット(英アカデミー助演女優賞受賞)
スーザン  マドンナ
デズ(ジムの友人、映写技師)  エイダン・クイン
ゲイリー・グラス(主人公の夫、バスタブ業者)マーク・ブルーム
ジム(スーザンの彼氏)  ロバート・ジョイ
レスリー・グラス(義姉)  ローリー・メカルフ
クリスタル(スーザンの友人)  アンナ・レヴィン
ウェイン・ノーラン(強盗)  ウィル・パットン
イアン(奇術師)  ピーター・マロニー 

 

***

ロバータはデズに助けられ彼女をスーザンと思ったデズのアパートヘ連れて行かれた。デズはヴィレッジにある名画座「ブリッカーストリート・シネマ」の映写技師。アパートにもどると同棲相手が出ていくところだった。お互い惹かれ合うが、デズは、ロバータがジムの恋人だと思い込んでいる。自分が誰だかわからぬままに新しい人生を歩み始めたロバータは、幸せだった。

一方スーザンはロバータ失踪をきっかけにゲイリーと知り合った。スーザンは、殺人事件の関係者にされていることを知り、ロバータが自分と間違えられて追われていることを悟る。
ジムがニューヨークに戻り、デズと話し合った結果、ロバータがスーザンでないことが判明した。

スーザンが、「名もなき人へ、今夜マジック・バーで待つ」と新聞の消息欄に広告を出す。マジック・バーには、ロバータとデズ、ジムとスーザン、ゲイリーとゲイリーの姉まで集まった。みんなの目がロバータに集まっているときに、ウェインがスーザンに襲い掛かる。しかし、控室に戻ったロバータの機転でウェインは逮捕され、スーザンはジム、ロバータはデズの元に戻る。そしてエジプト宝物展で、スーザンとロバータの二人は無事イヤリングが戻ったため表彰される。

マドンナのスーザンを探して Desperately Seeking Susan (1985) オライオン製作・配給

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