（推理編）
いよいよ日本ダービーだ。
皐月賞予想時の三強マカヒキ、サトノダイヤモンド、リオンディーズ＋その三頭を破って一冠目を手に入れたディーマジェスティから見ていこう。
まず二ノ宮厩舎のディーマジェスティーだが絶好枠を引き血統的にも長距離向き、左回りの府中コースも得意で蛯名騎手もついにダービージョッキーの称号を手に入れそうだが、一つだけ気になる点がある。一週前の調教後に疲れが出たのだ。非常に大切な段階で疑問が残ったが、直前は持ち直したようだ。絶好枠だから軸からは外せないが、1位軸には固定できない。外枠から皐月賞で勝ったゴールドシップやアンライバルド（ともにハイペース）と似たものを感じさせる。道悪はヨーロッパ志向の二ノ宮厩舎だからこなすだろう。
次に友道厩舎のマカヒキ（川田騎乗）である。前駆の発達した追い込み馬だが、ダービーではよほど乱ペースにならない限り、展開は厳しい。調教は先々週いっぱいに追い、先週はG前強めで直前は坂路を強めだ。今後につながる無難な仕上げと言える。
池江厩舎のサトノダイヤモンド（ルメール騎乗）は前走直線で不利はあったが、不利がなかったとしても突き抜ける脚はなかった。もっとレースを選べたのに、きさらぎ賞から皐月賞直行とはダービー以降を目標にしているのだろう。とくに調教では三週連続で一杯に追うという後先のことを考えないスパルタだ。レースを出来るだけ使わず何とかダービーにだけは間に合わせたというところか。道悪に限っては鬼である。
角居厩舎のリオンディーズ（デムーロ騎乗）は1600mの朝日杯は追い込んで勝ったのに、2000mの弥生賞と皐月賞を先行して暴走してしまいG前で止まってしまった。とくに前走は向かい風の中、向正面で先頭に立つという暴挙である。それでも4着から降着の5着にしか負けていない。マイネルハニー、アグネスフォルテ、マウントロブソン、アジュールローズと内枠の先行勢はいるが、何とか中団でインに入れれば、皐月賞の暴走を怖がって誰も近づけずかえって思うツボにはまりそう。過去にも皐月賞で三着に逃げ潰れたディープブリランテがダービーは先行して蛯名フェノーメノの猛追を振り切って優勝した。調教は直前で末脚強めにやっている。掛かるのが怖いからこれでいい。
連勝馬券ならディーマジェスティを軸に残り三頭に流す。オッズによってはマウントロブソンにも流す。
三連馬券はディーマジェスティを一着に固定できるのであれば三連単で入る。でも外人のルメールは蛯名を勝たしてやる義理はない。たとえサトノダイヤモンドをここで潰しても勝ちに来るだろうから、ディーマジェスティと心中する勇気が出ない。
あとは三着穴に付け加えるのが、弥生賞3着、皐月賞4着のエアスピネル、スプリングS勝ちのマウントロブソン、青葉賞勝ちのヴァンキッシュラン、二着のレッドエルディスト、京都新聞杯勝ちのスマートオーディン、プリンシパルS勝ちのアジュールローズぐらいかな。馬場は速そうだからマイネルハニーの大逃げは残念ながら効かないだろう。
土曜日は追込が効かないレースが続いた。外枠は先行したときのみ連対していた。関西は雨が降ったが、にわか雨だったのか？たとえあれぐらいの量が降っても良馬場で行けるが、時間帯に応じて内と外の有利不利は変化しそう。
（解決編）月曜日加筆。
（パドック）
１ディーマジェスティ 非常に落ち着いている。後から考えるとダービー前にしては元気なしか。やはり皐月賞の疲れが出た？
２マイネルハニー ペースを握る。はみを取り行きそうな気配。
３マカヒキ 気合い十分、ベストホース
５エアスピネル はみを取り、掛かる勢い
６アグネスフォルテ 長浜師最後のダービー、メイチの出来。
８サトノダイヤモンド はみを取ろうとするが、まだ子供っぽい。
９マウントロブソン 気合い十分
10スマートオーディン はみを取ろうとする。気合い良し。
12リオンディーズ 興奮させないように用心している。（後に騎手が乗って興奮しだした）
14ヴァンキッシュラン 弱気。
（推理編）雨は降らなかった。リオンディーズが入れ込みだして、このレースは１，３，８で固くおさまると思った。ただベストコンデディションはマカヒキだが、展開的にはサトノが有利であり、勢いはディーにあり、3頭の順序づけが出来なかったので、馬連ボックスと三連複にした。その方が賭け金回収率は効率的だったから。でも金額的にはあまりにも面白くない。
（展開）
マイネルハニーがやはりハナに立つ。一瞬早くなるかと思ったが600mでスローダウン。集団は縦長で中団のダービーポジションにはマカヒキがインペタ（埒沿い）、その斜め前（二列目）にサトノダイヤモンド、斜め後ろ（二列目）にディーマジェスティがいる。互いに牽制できる態勢。掛かっていたリオンディーズは後方待機策、エアスピネルも掛かり気味で好位5番手に付けていた。
結局残り5Fで13秒までペースを落とし、ラスト3Fからは11秒前半に加速と緩急の差の激しいレースになった。
直線ではまずエアスピネルが中から抜けだしを図り、サトノダイヤモンドもその外から出た。最内は垂れた馬が詰まってくるので、ディーマジェスティはさらに外に出して安全策を取る。
マカヒキだけはリスクを取り、エアスピネルの後の狭いところを一瞬の脚で抜けてくる。エアスピネルはあえて抵抗しない。
サトノダイヤモンドはマカヒキに合わせるべきところを外によれてディーマジェスティに寄せてしまい、慌てて体勢を立て直してマカヒキと合わせたが時すでに遅し、鼻差でマカヒキがゴールを先に切った。2着サトノダイヤモンドは向正面で他馬とぶつかって落鉄した影響が出た。
サトノダイヤモンドとマカヒキはどちらもルメールの馬だったのに、何とも運のない男である。
3着ディーマジェスティは少し外に寄せられたが、脚もなかった。24度目の挑戦だった蛯名は二度と勝てないだろう。柴田政人はウィニングチケットで勝ったとき馬場の悪い内を回ってリスクを取りにいった。しかし蛯名は外に出した。この差は大きい。
マウントロブソンは出遅れたところでレースは終わっていた。ところがそこから7着まで盛り返した。もしスタートを失敗しなければと思うと、展開も向いただけに非常に惜しい。
1着から3着がディープインパクト産駒で4着（エアスピネル）と5着（リオンディーズ）が揃ってキンカメ産駒。今年のキンカメはドゥラメンテと違い、完全にマイラーだね。とくにリオンディーズは朝日杯を使ったことが最後までたたってしまった。