テレビで放送された「チャーチル 第二次大戦の嵐」。
開戦の翌年チェンバレンから国王の指名で首相兼国防相を引き受けたチャーチル、ドイツ降伏後に行われた総選挙中、リビエラに観光旅行に来て選挙対策にいらつくチャーチルとを対比して描いている。
平時の政治家としての彼と戦時の政治家としての彼を比べたかったのだろうが、
今ひとつピンとこなかった。
ドラマ性を持たせるならば、バトル・オブ・ブリテンでの航空兵の姿と重ね書きするべきだったろう。
彼の絶頂期を中心に描くべきだった。
戦時中の彼は猪突猛進タイプだったが、選挙には弱かった。
お為ごかしが言えないのだ。
その結果、保守党は惨敗しさらに挙国一致内閣でのアトリー副首相(労働党)が首相として20年にわたる長期政権をほしいままにして、莫大な戦費の上に民間企業の国営化、社会保障制度の確立など社会主義政策を行った。
その後1947年の寒波で大英帝国は巨大債務で沈没してしまい、マーシャルプランを受け入れざるを得なかった。
植民地の独立や戦後の冷戦構造においてイギリスの影響力はどんどん弱小化していく。
ルーズベルトとスターリンが描く新たな国際秩序の姿にチャーチルは戦時中から気づいていたが、如何ともしがたかった。
ちなみにジョージ6世役の俳優が出てきたが、滑舌があまりに良すぎた。
「英国王のスピーチ」が上映されるのは、翌年のことである。
演出
サデウス・オサリバン
脚本
ヒュー・ホイットモア
出演
ブレンダン・グリースン
ジャネット・マクティア
ビル・パターソン
レン・カリウ

Into The Storm 2009 HBO(TV)

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