原作 ジョン・セコンダリ
監督 ジーン・ネグレスコ
脚色 ジョン・パトリック
出演
クリフトン・ウェッブ
ドロシー・マクガイア
ジーン・ピータース
ロッサノ・ブラッツィ
ルイ・ジュールダン
マギー・マクナマラ
主題歌
フランク・シナトラ
パラマウントの「ローマの休日」にあやかって、20世紀フォックスが作ったテクニカラーのローマ観光映画。
トレビの泉の最初のシーンは有名。
一部ベネチアのシーンもある。
初めてこの映画を見たのは子供の頃でサンテレビの昼の洋画劇場だったか。
そのときはイタリア人ロッサノ・ブラッツィの濃さに当てられて、圧倒されたと思う。
もしかしたらフランス人ルイ・ジュールダンもイタリア人と誤解していたかも知れない。
その後、主題歌をよく聞くことはあった。
しかし本編を見ることはなかった。
40年たって再び見たが、演出といい、脚本といい思ったほどの出来ではなかった。
さらにセット撮影が多くて、急いで作ったというのが丸出しである。
若いカップル(マギー・マクナマラ、ルイ・ジュールダン)のシーンが大変地味に見えた。
ルイ・ジュールダン(恋の手ほどき)は撮影当時まだ若かった。
マギー・マクナマラは1953年アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされるほどだったが、オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」の前に敗れ去った。
そこで翌年この作品でリベンジを図ったのかも知れないが、地味だったためにますます差を広げられた。
これ以降はスクリーンから次第に遠ざかってしまう。
またジーン・ピータースとロッサノ・ブラッチ(旅情)のカップルも目立っていない。
普通に考えたら、すごく濃いカップルなんだけど。
短時間で三つのカップルをまとめるのは、無理だったのだろう。
クリフトン・ウェブ(ローラ殺人事件)とドロシー・マグワイヤ(紳士協定)の熟年カップルが一番輝いていた。
カラーフィルムもびくともしない。
脚本や演出がダメでも、演技力だけで何とかした好例。

クリフトン・ウェブは当時ですでに65歳。
9年後まで映画に出演し続け、12年後に亡くなる。
ちなみに「ローラ殺人事件」のときは55歳だった。
ブロードウェイで若い頃から鍛えてきたから、演技力がその辺の映画俳優とは全く違う。
ホモセクシャルのため、結婚はしなかったそうだ。

愛の泉 1954 20世紀フォックス

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