森田家は酒屋を営んでいる。
若くして長男が亡くなり未亡人となった嫁礼子が姑ともに支えてきた。
義弟幸司がいるが不良でまともに働いてくれない。
ある日、嫁は妹夫婦によって森田家をスーパーマーケットに改造する計画があること、実家で再婚話が進んでいることを告げ森田家を出ると宣言する。
森田家を去る日、義弟は送っていくと言うが駅までではなく電車にまで乗り込んでくる。
最後だからと許した礼子はその寝顔を見ていて、ふと山間の宿に幸司を誘う。

成瀬作品ならではの人間心理を深い場所まで食い込んだ作品。
結末はこの上なく悲劇的である。
家を出た未亡人とは言っても、これから重い十字架を架せられて生きていく礼子の心が悲しい。

 

石原裕次郎にこの役ができたかな?できるわけないよ。
思った以上に加山雄三は器用なのかも知れない。

 

監督 成瀬巳喜男
脚本 松山善三(オリジナル)
製作 藤本真澄 成瀬巳喜男
撮影 安本淳

 

出演
三益愛子 (森田しず)
高峰秀子 (礼子)
加山雄三 (幸司)
草笛光子 (久子)
白川由美 (孝子)
北村和夫

乱れる 1964 東宝

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