アカデミー賞で作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞、音響賞の5部門を獲得している。
勢いで作品賞まで取ってしまったので、その後いつしか忘れられてしまった。
当時のライバルは「ファニーガール」「冬のライオン」「レイチェル・レイチェル」「ロミオとジュリエット」だから、ラッキーと言えば、ラッキー。
(この年の作品賞を、いまから選び直せば、ダニエル・キース原作「アルジャノンに花束を」だろうか)
 

監督 キャロル・リード(第三の男)
製作 ジョン・ウルフ
原作 チャールズ・ディケンズ
脚色 ヴァーノン・ハリス
撮影 オズワルド・モリス
音楽監督 ジョン・グリーン
作曲作詞 ライオネル・バート
美術 ジョン・ボックス
 

配役:
マーク・レスター (Oliver 「小さな恋のメロディ」
ロン・ムーディー (Fagin) TV「デビッド・カッパーフィールド」のユーライヤ・ヒープ役
オリヴァー・リード (Bill Sikes) 「砂漠のライオン」
シャニ・ウォリス (Nancy)
ジャック・ワイルド (Artful Dodger) 「小さな恋のメロディ」
ハリー・シーコム (Mr. Bumble)

 

いまにして思えば、「オリバー!」は最後の大作ミュージカルだったかもしれない。
その後、「ハロー・ドーリー」や「屋根の上のバイオリン弾き」が作品賞にノミネートされたが、豪華さでは敵わない。
僕の好きな作品でもある。
 

主役のマーク・レスターの歌が慥かに下手かもしれないが、脇が見事にしまっている。
悪役をやらせたら右に出るもの無しのオリバー・リード、
ミュージカル・スターのロン・ムーディーとシャニ・ウォリス、
後に傑作映画「小さな恋のメロディ」で再びマーク・レスターとコンビを組むジャック・ワイルドと、非常に渋みのある配役だ。
 

群舞のシーンは効果的。
「ウェストサイド・ストーリー」「マイ・フェア・レディ」に続く、賑やかなミュージカルだ。
ラスト・シーンのロン・ムーディーとジャック・ワイルドが再会する場面も印象的だった。
ちなみにマーク・レスターは芸能界から引退して、現在、夫婦で接骨院を営んでいるそうだ。

 

 

オリバー! 1968 英国

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