映画「チャイナタウン」から10年後のロサンゼルスで不倫調査をするうちに過去の事件に関係する地名や人名に遭遇する私立探偵の姿を描くハードボイルド。監督、主演にジャック・ニコルソン。
脚本は前作に引き続きロバート・タウンが執筆する。
音楽はヴァン・ダイク・パークスが担当。
共演はハーヴェイ・カイテル、メグ・ティリー、マデリーン・ストウ

あらすじ

1948年ロスでは地震が頻発する。モーテルで浮気現場を調査していた私立探偵のジェイク・ギテスは、依頼人でBB建設社長ジェイク・バーマンが妻キティの相手ボディンを射殺するところにいあわせる。銃は被害者ボディーンのものであり、銃を最初に手にしたのはボディンであり、バーマンは正当防衛だとして釈放される。しかしボディーンがBB建設の共同経営者と分かり、再びバーマンに嫌疑が掛かる。
事務所に戻るとボディーンの妻リリアンが、夫が死んだのはバーマン夫妻の陰謀と言って狂乱する。それを宥めて追い返すために当身で気絶させるしかなかった。
その夜、泥坊が事務所に入る。盗聴テープを探しているようだったが、何も取らずに立ち去った。テープを聞き直すと、ボディンの口からキャサリン・モーレイと言う名前が出て来た。水道局疑獄事件で死んだイブリンの娘の名である。その頃、リリアンが自殺未遂を起こす。
翌日、ギテスはバーマンの仕事場に会いに行くが、彼は反抗を否認する。その後、ギテスは井戸の近くで煙草に火を付けるためマッチを擦ると、爆発が起きて彼は吹っ飛ばされる。地下に可燃性ガスが溜まっていたそうだ。
ギテスがイブリンの執事カーンの元へ行くと、キャサリンは出て行ったきり音沙汰がないようだ。ただ彼女は園芸の才能があり、F1種を使って花の色を作り出すことができる。
その夜、ギャングのミッキーが手下を連れて事務所のギテスを襲い、盗聴テープを出せと脅す。ボコボコにされたギテスを助けてくれたのは、リリアンだった。リリアンにテープを聴かせると、また半狂乱になってしまい、宥めるのに一晩抱いてやらなければならなかった。
翌日、助手ウォルシュの報告でキャサリンから土地を一旦ミッキーに贈与して、その日のうちにバーマンに譲渡していた。
またリリアンの弁護士ニューティがローリー石油とつながっているらしい。
夜が明けてキティがビューティーサロンでパックをしているときに、ギテスは押しかけてモーテルで何が語られたか教えてもらおうとした。しかし亭主が計画殺人を犯した証拠を持って来なさいと答えた。

思いあぐねたギテスはローリー社の社長ローリーに会う。彼はBB建設の第三の共同経営者としてバーマンの幼馴染ミッキー・ナイスの名と、BB建設の所有地の下は油田である事を教えてくれる。地震により地盤が弱くなり、ローリーの石油採掘跡が崩れたのだろうか。

ミッキーを探り、ピストルの運び込んだトリックをつきとめた事をキティに知らせる。バーマンはギテスとゴルフ場で取り引きをするつもりだったが、バーマンは突然倒れてしまう。
その夜、ギテスは事務所にキティを呼んだ。花のブローチに何か見覚えがあった。素顔で初めて見た顔のイブリンの面影があった。キティこそキャサリンだったのだ。バーマンはキティのスキャンダルが暴露されると考えてあまり表に出さなかったのだ。それがキティの不満につながっていった。
幸い、バーマンは退院することができた。そして裁判でもギテスが盗聴テープを編集して、バーマンの無罪を勝ち取る。

全てが無事に終わった後、ギテスをモデルハウスに招き入れて、バーマンは死病に犯されもう長くないこと、他所の女と浮気をしていると思われ、キティはボーディンに靡いた事を語り出した。そして自分が死んだ後、ボディーンに会社を乗っとられる事を避ける為に先に殺害した事も告白した。その時、ミッキーはトイレから慌てて飛び出してくる。何と石油が噴き出したのだ。バーマンは皆を退避させた上で、ライターの火をつける。水道から溢れている石油に引火して大爆発を起こした。

雑感

1985年に製作開始したのだが、製作者でバーマン役を予定していたロバート・エヴァンスに対して脚本家のロバート・タウンがバーマン役についてクレームを付けたために訴訟沙汰になり、五年間もお蔵入りしてバーマンとキティ役をハーヴェイ・カイテルメグ・ティリーに交代して1990年に完成した。

ツギハギだらけの映画なのだが、その割にはハーヴェイ・カイテルとメグ・ティリーが熱演していて良い作品になったと思う。ロサンゼルスの乾いた空気には、ロマン・ポランスキーよりジャック・ニコルソンの方が合っている。

この作品はジェイク・ギテス・トリロジーの第二作だが、トラブルがあったので第三作の案は消滅した。本当だったら、10年後の1950年代に時代を移してトリロジーの最終作を作る予定だったのだ。

本物のメグ・ティリーは黒髪の中国系美人だが、ここでは金髪に染めて北欧風美人に扮している。初めは金髪のキャシー・モリアーティに割り当てられた役だったが、5年も待っていられず降板した。そこでメグを金髪に化けさせて、キャシー役を演じさせた。

リリアン役のマデリーン・ストウは相変わらず、セクシー担当である。下着の中の生尻を弄るシーンがあってもG指定なんだなあ?

 

前回出演者も今回多数出演している。ジャック・ニコルソン、フレデリック・フォレスト、ジョー・マンテル、ペリー・ロペス、ジェームズ・ホン、フェイ・ダナウェイらがそうだ。

キャスト

ジェイク・ギテス  ジャック・ニコルソン
ジェイク・バーマン  ハーヴェイ・カイテル
キティ・バーマン夫人  メグ・ティリー
リリアン・ボディーン夫人  マデリーン・ストウ
ワインバーガー弁護士    イーライ・ウォラック
ミッキー・ナイス      ルーベン・ブラデス
ニューティー弁護士     フレデリック・フォレスト
ローリー社長     リチャード・ファーンズワース
右腕ウォルシュ    ジョー・マンテル
カン         ジェームズ・ホン
エスコバル警部    ペリー・ロペス
ローチ刑事      デビッド・キース
ローチの部下         トム・ウェイツ(クレジット無し)
イブリン       フェイ・ダナウェイ(回想シーン)

スタッフ

製作ロバート・エヴァンス、ハロルド・シュナイダー
監督ジャック・ニコルソン
脚本ロバート・タウン
撮影ヴィルモス・ジグモンド
音楽ヴァン・ダイク・パークス

 

 

黄昏のチャイナタウン The Two Jakes (1990) 88プロ製作 パラマウント配給 UIP国内配給(1991)

投稿ナビゲーション