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花嫁吸血魔 1960 新東宝

      2017/11/02


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後にお嫁さんにしたい女優No. 1と言われる池内淳子が、仮面ライダーの怪人のような毛むくじゃらの吸血コウモリ女に変身する貴重な怪奇映

 

舞踏学校(タレント養成校)の生徒藤子喜代子、英子、里枝、早苗と学校の仲間だが、実は飛び抜けた才能と美貌を持つが故に喜代子、英子、里枝から憎まれていた。藤子は早苗の兄貞夫から愛されていたが、英子の恋人基保も横恋慕している。

藤子の実家は没落して債権者から催促を食らうが、藤子が仕事を得ない限り払えそうになかった。そんな折、映画女優としてデビューが決まり負債の返済にも目処がたった。

ところが学校の仲間と貞夫、基保が休日を利用してピクニックに行った際、藤子喜代子、英子、里枝の三人が崖から突き落とし、怪我を負わせて二度と見られない顔にしてしまう。藤子は突き落とされたとは知らず入院している間に、債権者から責め立てられ母は自殺していた。母の遺言には、田舎に曽祖母が生きているから頼れと書かれてあった。

田舎に行くと、山深くで曽祖母のお琴様と醜い下男に出会う。お琴様は平安時代の陰陽師影山家の末裔であり、桶の水に喜代子、英子、里枝が藤子を突き落とした様子を映し出し藤子に見せる。さらにお琴様は藤子の顔の傷を治してやると言ったが、傷は酷くなる一方であり、藤子は腹を刺して自殺してしまう。そこでお琴様は自らを犠牲として、自分の血を藤子に飲ませる。実はお琴様は今までコウモリの生き血を啜って、生き長らえてきた。その血を飲んでしまったことで藤子は吸血コウモリ女の力を手に入れる。

やがて月日は経ち、喜代子は藤子のピンチヒッターとしてスターになり、英子は基保とよりを戻し、里枝は貞夫と婚約していた。そんなときミス太平洋として小夜子という女性が選ばれるが、藤子と瓜二つである。喜代子、英子、里枝は気味悪がるが基保は正体を暴露するといい自宅へ乗り込む。しかし小夜子は毛むくじゃらの怪人に変身して基保の血を吸い殺してしまう。さらに英子、喜代子も襲い殺してしまう。

小夜子は貞夫と里枝の結婚式にも乗り込むが、貞夫は里枝の助命を乞う。小夜子は一度は立ち去ろうとしたが、結局血の力には勝てず里枝を殺してしまう。そして逃亡の際ライフルで撃たれ、水辺まで逃げてくるが、ついに力尽きる。

 

池内淳子は1955年に新東宝からデビューして、「次郎物語」の姉役で注目され、久保菜穂子、三ツ矢歌子とともに「新東宝現代劇の女優三羽烏」と呼ばれ期待されていた。しかし1957年に早々と歌手の柳沢真一と結婚して引退する。会社は新人の宣伝費用を掛けて、これから回収しようとしたのに大損である。ところが柳沢真一が浮気したのだろうが翌年離婚して新東宝に復帰する。復帰してからは四谷怪談の脇役などを演じていた。

この作品に主演したことについて、社長である大蔵貢プロデューサーの嫌がらせとも言われたが、当時新東宝は火の車で池内淳子も女気を見せて着ぐるみを着たと考えるべきだろう。裸にされなかっただけでもマシである。

新東宝倒産後は東宝に移籍しながらテレビの不倫ドラマで活躍し「よろめき女優」と呼ばれた。そして日本テレビ専属になって視聴率20%女優の名をほしいままにしたり、TBSの「女の味噌汁シリーズで長期にわたり活躍して、2008年には旭日小綬章を授与され、死の前年(2009年)には天皇陛下在位20周年記念式典に出席して陛下が関心を持つ分野の代表者として紹介されるに至った。

そんな偉大な女優の意外な映画として、この作品は今後も忘れ去られることはないだろう。
因みに並木鏡太郎監督にとっても最後の監督作品である。

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監督 並木鏡太郎
製作 大蔵貢
原案 七条門
脚本 長崎一平
撮影 吉田重業

配役
白井藤子 池内淳子
滝内喜代子 天草博子
篠原英子 瀬戸麗子
玉木里枝 三田泰子
光武早苗 矢代京子
光武貞夫 寺島達夫
大田基保 高宮敬二
お琴様 五月藤江
白井道子 津路清子
捨助 由木城太郎

 

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